初めての外国人雇用◆労務管理編/外国人雇用の困りごとQ&A集A

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このページでは、外国会社や外国人会社の人事労務管理について、わかりやすいQ&A方式で説明しています。

当事務所が更新している icon.mini.gif 日本で働く外国人に関するブログで、取り上げているトピックと連動しているご質問に関しては、ブログ記事のリンク先もご覧ください。(このQ&Aよりも詳細に解説しています。)  

 

icon.mini.gif 外国人雇用に関する、その他の記事は下記リンクをクリックしてご覧ください。

 

 icon.mini.gif 外国人社員の就労ビザ取得手続きについては、下記のページからリンクをご覧ください。

 

 


 

■ 外国人雇用のQ&A集A

お探しの情報がない場合は、icon.mini.gif 外国人雇用の困りごとQ&A集一覧 に戻り、こちらからも他のQ&A集を検索してください。

 

 

 

 

 

 

※ ご覧になりたい項目をクリックしていただければ文頭にジャンプします。

※  paper!.gifは、当事務所オリジナルの書式(日本語・英語版)が公開されているQ&Aです。

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                            質問内容

Q8

社会保険加入が条件となる?/就労ビザ期間更新・資格変更

当社は、健康・厚生年金保険(=社会保険)の強制適用事業所なのですが保険料の負担が重いため、会社として社会保険に加入していません。先日、雇用している外国人社員が当社がスポンサーとして毎回更新している就労ビザの在留期間更新申請について、入国管理局において健康保険証の提示を求められたと相談してきました。健康保険や厚生年金に加入していない当社の場合、雇用している外国人の就労ビザ更新はできないのでしょうか。

Q9

外国人応募者の在留資格確認方法

求人広告に応募してきた外国人がとても良い人材なのでぜひ採用したいと思います。日本で働くことができる在留資格を持っているのか、持っていない場合、どのような手続きを踏めば正規の就労ビザが取得できるのか確認方法を教えてください。

Q10

外国人社員に社宅を提供するときの注意点

新しく雇用した外国人社員に当社が借り上げている社宅を提供したいと思います。家賃の控除やその他、社宅使用上の注意点など何か特に日本人に対する取扱と異なる点がありますか。

Q11

外国人社員の所得税に関する扶養認定に必要な証明書

新しく雇用した外国人社員に、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいました。それによると扶養親族が母国に10名ほどいるようです。後々、税務署の調査等が入ったときに備え、外国人社員の海外にいる扶養親族に関する証明書類としてどのようなものを準備しておけばいいのか教えてください。

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Q12

外国語が通じる病院探し 

新しく雇用した外国人社員より、「母国語又は英語が通じる医療機関を紹介してほしい。」と頼まれました。最近は英語などが通じる病院や医院も多くなってきたようですが、社員の自宅に近い最寄の医療機関を探すにはどのような方法がありますか。

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Q13

退職した社員に関する入国管理局への連絡 

paper!.gif自社がスポンサーとなって就労ビザを取得した外国人社員が退職しました。退職したことを入国管理局に連絡する必要はありますか?また、連絡する場合、どのような方法をとればいいのでしょうか? 

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Q14 

試用期間中(満了後)の社員を解雇する 

paper!.gif当社で働く、試用期間中の外国人社員ですが、遅刻・欠勤が多い、顧客に対する対応に問題があるなど、今後雇用を継続していくことが難しく、残念ですが試用期間中(又は試用期間満了後)に解雇したいと思っています。解雇の手順、その後、必要な手続きなど注意点があれば教えてください。 

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Q15

外国人社員向けの退職証明書 

paper!.gif退職する外国人社員に、退職証明書の交付を求められました。次回のビザ更新にも必要だそうです。どのような形式の退職証明書を発行すればよいのか教えてください。 

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【Q8】

当社は、健康・厚生年金保険(=社会保険)の強制適用事業所なのですが保険料の負担が重いため、会社として社会保険に加入していません。先日、雇用している外国人社員が、当社がスポンサーとして毎回更新している就労ビザの在留期間更新申請について、入国管理局において健康保険証の提出を求められたということで相談してきました。健康保険や厚生年金に加入していない場合は雇用する外国人社員の就労ビザ更新はできないのでしょうか。 

 
【A】

2009年3月に発表された、在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正)【入国管理局】 によると、2010年4月以降、外国人労働者が、「在留期間の更新許可申請」(就労ビザの期間更新)および、「在留資格の変更許可申請」(就労ビザの種類変更・転職などをしたときに必要)を行う際、入国管理局の窓口において、健康保険証を提示することが義務付けられました。

ただし、このガイドラインについては、2010年3月に更に改正が行われ、「健康保険証の窓口での提示は求めるものの、健康保険証を提示できないことを持って在留期間の更新などを不許可とすることはありません。」と発表しています。

※ 2010年3月改正 「在留資格の変更、在留期間更新のガイドライン」(法務省) 

 

従って、健康保険・厚生年金に加入しなければならない条件に当てはまっている企業・労働者でありながら、加入していない(=健康保険証を提示できない)外国人労働者や雇用主が就労ビザ更新や変更の申請を行った場合であっても、その事のみをもって、就労ビザの変更や更新ができないという訳ではありません。

ただし、社会保険加入の有無がビザ変更や更新について、どの程度影響するかということについては、入国管理局は一切の基準を公表しておらず、個別のケースごとに判断しているようです。

 

御社の場合、社会保険の強制適用事業所【法律上、社会保険に必ず加入しなければならない事業所】にあたり、雇用している外国人社員も、これら社会保険に必ず加入しなければならない雇用条件の下、働いていますので、2010年4月以降、就労ビザの在留期間更新申請を行う場合は、入国管理局に健康保険証の提示を求められることになります。 社会保険に加入していない場合は、せめて外国人社員が加入している国民健康保険証のコピーを提示するように社員に指導してください。

 

icon.mini.gif 社会保険の強制適用事業所、必ず加入しなければならない社員の条件はこちらです。

 

 

 

なお、今回のガイドラインの改正では、他に下記のような基準も追加されています。これらの点は、社会保険加入以外にも、外国人労働者を雇用する企業さまにとって特に重要な留意点になります。こちらもご確認ください。

 

【 就労ビザ更新に関して改正された主な審査基準 】

  • 雇用・労働条件が適正であること
    【入国管理局】 我が国で就労している(しようとする)場合には,アルバイトを含めその雇用・労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。
    なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して許否を決定します。
  • 納税義務を履行していること
    【入国管理局】 納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。 なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,悪質なものについては同様に取り扱います。
  • 社会保険に加入していること
    【入国管理局】 社会保険への加入義務がある場合には,当該義務を履行していることが必要です。
    なお,平成22(2010)年4月1日以降は,申請の際に窓口で健康保険証の提示を求めることとなります。  ※ただし、加入していないことによって、即ち不許可になるわけではありません。

 



【Q9】 

求人広告に応募してきた外国人がとても良い人材なのでぜひ採用したいと思います。日本で働くことができる在留資格を持っているのか、持っていない場合、どのような手続きを踏めば正規の就労ビザが取得できるのか確認方法を教えてください。

 

【A】 

日本に住んでいる外国人には、それぞれに在留資格(ビザ)が与えられ、その在留資格内で定められた(就労)活動が認められています。

在留資格には現在全部で27種類があり、日本で働くことが認められている在留資格は、その内の16種類です。

icon.mini.gif 27種類の在留資格とそれぞれの在留期限についてはこちらをご覧ください。

 

この在留資格制度では、個々の在留資格内で行える活動内容(=仕事内容・職種)がそれぞれにきっちりと限定されています。

たとえば、御社がその外国人の方をハードウェアの技術者として雇用しようとしている場合、その方が持っている在留資格(=就労ビザ)は、技術者としての職種を限定している、「技術」というものでなければなりません。

※ ただし、「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」には活動内容の制限はありません。「永住者」以外の在留資格を所持している外国人に関しては、基本的にその在留期限だけを確認することになります。(「永住者」には在留期間の制限もありません。無期限で日本に在留できる資格です。)

 

つまり、雇用する外国人が、御社が担当させようとしている仕事内容に合致しない在留資格を持っている場合は、そのままの在留資格で雇用することはできず、採用を断念されるか又は外国人の現在持っている在留資格を変更する手続き、在留資格変更許可申請を外国人が勤務する予定の事業所を管轄する入国管理局に対して行うことになります。

※ 支社や営業所等、事業所が複数ある場合、あくまでも外国人が勤務する事業所を管轄する入国管理局に申請します。

 

以上、採用を考えている外国人に対して、まず、下記の書類の提示を求め、現在の在留資格や在留期限を確認していただく必要があります。

 

■ 外国人登録証明書 【サンプルのリンク先: 入国管理局のサイトより】

在留資格の変更や在留期間の更新を行っている場合は、カード裏面に追加情報が手書きで記載されていますので、表面だけではなく裏面も確認しましょう。

 

■ パスポートの許可証印

外国人登録証明書だけでも確認はできますが、慣れない方が確認するのは分かりづらい点もありますので、不明な場合はパスポートの提示を求め、上陸許可証印や在留期間更新証印を確認しましょう。

 

■ 資格外活動許可書 【サンプルのリンク先: 外国人雇用サービスセンターのサイトより】

例えば、「技術」の在留資格を持つ外国人が週末に短時間、語学講師のアルバイトをする場合など、メインの在留資格で許されていない就労活動を行う場合で、特別に入国管理局から許可を受けた証明書です。

資格活動許可書には、メインの在留資格「外」で許可されている活動内容も具体的に記載されていますので、御社で担当させる仕事内容がこれに該当するかをきちんと確認しておく必要があります。

 

外国人が、現に所持している在留資格で認められていない活動(=違う職種の仕事をする)を行うことを不法就労と言いますが、不法就労を行う外国人を、在留資格や在留期限の確認を怠って雇用した企業にも、不法就労助長罪という刑罰が科されることもありますので、この確認作業には十分な注意が必要です。

※ 不法就労助長罪(入管法第73条の2第1項): 

300万円以下の罰金、営利目的の場合は、1年以上10年以下の懲役及び1,000万円以下の罰金

 

icon.mini.gif 下記のページでも採用のしかた、就労ビザの具体的な手続き方法を紹介しています。

 

icon.mini.gif 「それでも、やっぱり、採用していい外国人かどうかわからない...」という企業様には当事務所でもご相談をお受けいたします。初回電話相談は無料ですのでご連絡ください。
または、下記の方法でご連絡ください。

 



【Q10】

新しく雇用した外国人社員に当社が借り上げている社宅を提供したいと思います。家賃の控除やその他、社宅使用上の注意点など何か特に日本人に対する取扱と異なる点がありますか。

 

【A】

外国人社員に限らず、会社が従業員を社宅に住まわせる場合は主に以下の点に留意してください。

 

■ 保証人をつけてもらい、「社宅使用に係る保証書」を作成、署名をもらっておく。

保証人をつけてもらうことによって、例えば入居社員が退職した後、家賃を支払わずに退去したり、逆に退職した社員が退去せずに社宅に住み続けるなどのトラブルが起こった場合、 保証人に対して滞納した家賃を請求し、また、退去を拒否する社員を説得してもらうことができます。

 

その他、予想される様々な社宅に関わるトラブルを防ぐためにも、身元保証人(身元保証書)とは別に、社宅入居に係る保証人(保証書)を立てておくのが大切です。

【社宅入居に関わる保証人が、入社時の身元保証人と同一人でもかまいません。】

  

■ 社宅を使用する上で守ってもらう生活上の注意(ゴミの出し方など)や、退去時の注意事項などを記載した確認書を作成し、入居社員の署名をとっておく。

外国人の場合は特に、日本のゴミ出し等の基本的なルールや日本特有の生活知識が不足していて、ご本人にその意図がなくても、何かしらのトラブルなどを起こしてしまうことがあります。

まずは、会社側が基本的な社宅利用ルールを十分説明すると共に、それでも、本人が注意を怠って社宅使用に際して会社に損害を与えるようなトラブルを起こした場合は、それに対する損害賠償や、原状回復義務(室内を汚してしまった、キズつけてしまったときなど、元の状態に戻すこと。)を明記した確認書を取り交わし、入居社員の署名を取っておくことが必要です。

 

■ 家賃の控除についての注意点

社宅を提供する場合、社宅手当として一定額を社員の給与から控除する場合と、賃金を支払った後に社員が会社に対して直接支払う方法がありますが、これは会社の規程に従って処理することになります。

 

なお、以下は外国人社員に対する社宅費用の取り扱いとして、気をつけなければならない点です。

外国人社員を雇用する会社の中でも、給与計算業務にあまり慣れておられない、家族的な経営をされている企業や飲食店業など小規模な事業所に多くみられるのですが、雇用している外国人スタッフ(オーナー様ご本人が外国人で、起業に伴って自国から友人や家族などを呼び寄せて雇用しているケースなど)を自社の借り上げ、社宅や会社が所有している住宅に住まわせ、家賃はもちろん光熱費なども全額会社持ち、それら費用を差し引いた額を純粋に給与として支給している会社が時々あるようです。

 

このような場合は、例えば総支給額は25万円と規定し、その中から家賃5万円、光熱費などの経費3万円の計8万円は、会社側が完全に負担して支払い、残り17万円を単純に給与として外国人スタッフに支払ってしまうと、手取り給与額が実態を示さず、 相当に低い額となってしまいます。

こういった取扱いは、税法上や労働・社会保険法上にも大きな問題があるだけではなく、外国人スタッフの次回の就労ビザの更新という面からも重要なデメリットとなります。

 

就労ビザは、問題がなければ何回でも更新することは可能ですが、更新の際には、前年度分の納税証明書(外国人本人が住んでいる管轄の区役所などで発行してもらいます。)が必ず必要となるのですが、納税証明書には、会社からいくら給与を受けて、いくら納税したかが一目瞭然で記載されます。

 

よって、納税証明書に記載される額が上記で説明したように、社宅費や生活費を除いて支給した単純な手取り額だけであると、外国人に対し、不当に低い給与しか会社側が支払っていないと入国管理局に判断され、就労ビザの許可基準を下回り、ビザがおりない...という結果にならないとも限りません。

 

会社側で、外国人スタッフの社宅費用や光熱費などの負担をするのであれば、給与計算上、必ずそれらの費用は、「現物支給」分として、その分の総額も支払給与額に必ず含めるように処理をしてください。

 

icon.mini.gif 当事務所では、「社宅使用に関する確認書」の作成や英文翻訳もお受けしております。

初回電話相談は無料ですので、まずはお悩みごとをご相談ください。

 



【Q11】

新しく雇用した外国人社員に、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいました。それによると扶養親族が母国に10名ほどいるようです。後々、税務署の調査等が入ったときに備え、外国人社員の海外にいる扶養親族に関する証明書類としてどのようなものを準備しておけばいいのか教えてください。

 

【A】

所得税法上、社員本人と、「生計を一にする扶養親族」であれば申告する扶養親族の数に制限はありません。

扶養親族の範囲や書式については、下記の国税庁のホームページをご覧ください。

※ 給与所得者の扶養控除等異動申告書/解説と書式(国税庁)

 

外国人社員の場合は、条件に当てはまれば海外に住んでいる親族を扶養親族としてカウントし、所得税の負担を減らすことができますが、その場合、後々の税務調査に備えて、必ず下記のような書類を外準備するように、御社から外国人社員ご本人に指導してください。

 

 @ 外国人社員が海外の扶養家族に生活費として送金した海外送金の証明書控

 A 外国人社員と扶養親族の関係を証明できる公的な証明書類

 

@については、社員が扶養親族と、「生計を一にしている」、即ち、「お財布が一緒である=扶養親族が生活を維持できる程度の額を送金している」という客観的な証明書類として、海外送金の控えや通帳のコピーなどが必要です。

一時帰国をしたときに、直接現金で手渡すようなケースでは、生活費を渡している証明ができません。銀行振込などで送金を行った証明ができるよう、外国人社員に対する指導を行ってください。

海外送金については、必ずしも毎月の送金証明が必要な訳ではなく、3ヶ月、半年、又は1年に1回などでの送金頻度でも問題ありませんが、必ず、その扶養親族の生活を維持している事実を客観的に証明できる金額で記録を残す必要があります。

 

また、Aの扶養親族関係を証明する公的な書類としては、海外の場合(台湾以外)、日本のような戸籍制度がありませんので、結婚証明書や出生証明書など、その国の行政機関が発行する公的な証明書とその日本語訳が必要となります。

 

税務署の税務調査が行われた場合、以上の海外送金証明書や身分関係を証明する公的書類の提出を求められます。

これらの書類を提出できないときは、それまで納めた所得税の修正申告を求められることもありますので、後々、そのようなことにならないよう、必要な証明書類については、外国人社員に対して予め十分説明し、準備していただくよう指導されることをお勧めします。 

 

 



【Q12】

新しく雇用した外国人社員より、「母国語又は英語が通じる医療機関を紹介してほしい。」と頼まれました。最近は英語などが通じる病院や医院も多くなってきたようですが、社員の自宅に近い最寄の医療機関を探すにはどのような方法がありますか。

 

【A】

おたずねのとおり、最近は英語等外国語が通じる医療機関も増えているようですが、その事を看板などに大きく謳っているところはあまり多くないようです。

外国人社員にとって、また御社にとっても、せっかく高い健康保険料を負担しているのに、言葉の問題で医療機関にかかれないというのでは話しになりません。

こういった問題を解決するためは、AMDA国際医療情報センターや、東京都医療機関案内サービスなどの、旅行者や在日の外国人のために設立された医療情報センターを利用するのも一つの方法です。

 

AMDA国際医療情報センターや東京都医療機関案内サービスは、日本語がわからない外国人を対象に英語はもちろん、中国語、韓国語、スペイン語、アラビア語、ポルトガル語、フィリピン語などで、主に電話相談を中心とし相談業務やシンポジウム開催などを行っており、電話相談については「無料」です。

 

【※】

外国語対応の医院紹介や外国人医師の有無をはじめ、薬の説明など、希望する外国語で対応してくれます。ただし、電話相談については、言語によって相談スケジュールが決まっています。詳しくはホームページや電話で直接センターに確認してください。また、患者である外国人だけでなく、外国人を雇用している会社や団体などの相談も受けてくれます。

日本の健康保険の説明や問診表などの各国語版下記のリンク先から閲覧できます。

 

なお、このトピックについては、当事務所のブログ(日本で働く外国人に関するブログ)でも、英語以外の言語で対応してくれる病院について詳細を記載しています。下記リンクより当事務所のブログをご覧ください。 

icon.mini.gif 「外国語で対応してくれる病院探しA」でも詳しく紹介しています。

※ AMDA 国際医療情報センター(日本語トップページ)

※ AMDA 国際医療情報活動内容

※ 問診表(各国語版)、健康保険の説明など

※ 東京都医療機関案内サービス(日本語トップページ)/英語ページあり

 

 



【Q13】

自社がスポンサーとなって就労ビザを取得した外国人社員が退職しました。退職したことを入国管理局に連絡する必要はありますか?また、連絡する場合、どのような方法をとればいいのでしょうか?
 

【A】

入国管理局への連絡は原則、必要ありません。ただし、どうしても連絡したいということであればそれも自由です。

 

日本で外国人が働くための就労ビザは、雇用元の企業がスポンサーとなって申請し、「1年」または「3年」という期限付きで許可を受けます。

そのため、A社がスポンサーとなって、就労ビザの許可を得た外国人社員Bさんが、(A社のスポンサーシップで取得した)ビザの期限が切れない内にA社を退職し、別の会社に転職してしまう、ということが起こります。

 

この場合、「企業内転勤」など一部のビザを除いては、Bさんが前回、ビザの更新(又は変更・在留資格認定証明書取得)のときスポンサーとなったA社を退職したからといって、Bさんが現在持っている就労ビザの効力がなくなるわけではありません。

Bさんが現在持っている就労ビザで許可されている仕事内容(例:人文知識・国際業務ビザで通訳・翻訳業務など)の変更がないのなら、他の会社に転職しても次のビザ更新まではそのビザは基本的に有効なのです。

※ ただし、その条件で転職した場合でも、転職した事を入国管理局に申告して、その転職が問題ないということを証明する許可証を発行してもらう手続き(=就労資格証明書交付申請)もあります。この手続きは入管法上の義務ではありませんが、入国管理局はこの手続きを推奨しています。

 

義務ではなくてもどうしても、入国管理局に申告しておきたい企業様の多くは、

 

親会社が海外の大規模企業なので厳しいコンプライアンス上のガイドラインがある。社員がもし退職後に問題を起こした場合に使用者責任がないことを確実にしておきたい。

 

または、

 

社員が問題を起こして退職した。退職後の行動が心配なので入国管理局に申告しておきたい。

 

というような理由から入国管理局への申告を希望されることが多いようです。

ですので、退職された外国人社員の方について、入国管理局に連絡するということであれば、実際に管轄の入国管理局に出向くか、又は手紙で連絡されればよいのではないでしょうか。

手紙で連絡される場合は、下記に当事務所が、希望される顧問先企業さまに配布している書式を添付しますので、よろしければこの書式を参考にしてください。

申告をされる場合の必要事項などを記載していますので、このままお使いいただいてかまいません。

 

sample.gif 【外国人社員に関する退職の連絡/入国管理局あて】 ※ pdf

 

 



【Q14】

当社で働く試用期間中の外国人社員ですが、遅刻・欠勤が多い、顧客に対する対応に問題があるなど、今後雇用を継続していくことが難しく、残念ですが試用期間中(又は試用期間満了後)に解雇したいと思っています。解雇の手順、その後、必要な手続きなど注意点があれば教えてください。

 

【A】

試用期間は、御社が社員の能力や適正に関して、「本採用」が可能かどうかを見極める期間のことで、多くの会社がこの制度を導入しておられることと思います。

また、「解雇」というのは、試用期間中(期間満了後)の解雇も含め、解雇される社員にはもちろん、やり方を間違えれば、訴訟等を起こされる可能性をはらんだ、会社にとっても最大限、慎重に行うべき最終手段といえます。

 

「試用期間中(満了後)の解雇」は、これまでの裁判例や慣習では、「本採用期間中の解雇」よりも、法律的にはその正当性が認められやすいといわれています。

つまり、解雇された社員が、解雇を不服として裁判を起こした場合、会社が主張する解雇理由の正当性が、本採用中の社員の解雇に対するそれよりも、認められやすいということです。(=本採用中の社員を解雇するよりも試用期間(試用期間満了後)の社員を解雇するよりも簡単。)

 

ただ、いくら試用期間中(満了後)の社員だからといって、客観的に誰もが納得できるような理由もなしに簡単に安易な解雇ができるわけではありまえん。その事をご理解いただき、それでもどうしても解雇する(=本採用を行わない)ということであれば、解雇にあたり、下記の点を十分注意してください。

 

■ 外国人社員の試用期間中(完了後)の解雇に関する大原則 

社員の採用に際して、試用期間を適用するか適用しないか、また試用期間中(又は満了後)に解雇する場合は、解雇時の手続きについて日本人・外国人に拘わらず同様の手順を踏まなければなりません。例えば、外国人なので、試用期間を他の日本人社員に比べて長くする、また解雇後の解雇手当の支払いを行わないなどの差別は一切できません。

 

その上で、外国人社員を試用期間中(完了後)に解雇する場合に重要なポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

 

■ 外国人社員に「解雇予告」または「解雇予告手当」を支払う。

社員を会社側の判断で一方的に解雇する場合は、(解雇日以前)30日前に「解雇予告」(社員に対して解雇を通知すること)を行うか、また30日分の賃金を支払うことが、法律上義務付けらています。これをせずに解雇をすると労働基準法第20条違反となり、会社に対して罰則が課されます。

ちなみにこの、「解雇予告」と「解雇予告手当」は併用することができます。例えば解雇日の15日前に解雇予告を行う場合、同時に残り15日分の賃金を支払えば、この15日前の解雇予告は適法となります。

【※】

30日の計算については、解雇予告をした日は”30日”に計算されず、実際に解雇予告をした日の翌日から30日をカウントして解雇予告・解雇予告手当の計算をします。

 

■ 解雇予告をしなくてもいい、解雇予告手当を支払わなくてもいい外国人社員がいる? 

ただし、この「解雇予告」 や「解雇予告手当の支払いをしなくてもよい社員」というのが、やはり労働基準法で明示されています。試用期間中の社員についても下記の方がそれに該当するのです。

  • 試用期間中で雇用されて14日以内の社員

14日を越えて(=雇用開始後15日以降)雇用が継続している外国人社員については上記、「解雇予告」か「解雇予告手当の支払い」(又は併用)を行わなければ労働基準法違反となりますが、雇用開始後14日以内の社員に対しては、それを行わなくても少なくとも労働基準法違反に問われる可能性はありません。

 

ただし、これについてはあくまでも労働基準法違反には該当しない、というだけの話しで、外国人社員の場合、たとえば会社側の希望により、はるばる海外から日本に呼び寄せて採用したというケースも多いでしょう。そのような場合、解雇後の帰国旅費などの本人負担を考慮せずに予告手当などの支払いを一切拒否すると、 その後民事訴訟などの労使トラブルに発展する可能性もあります。

 

そのような海外から会社によって招へいされた外国人社員に対しては特に配慮と注意が必要です。

 

■ 外国人社員の試用期間中(満了後)の解雇について次のことに注意する。

 

@ 解雇した外国人社員の帰国手配と入国管理局への届出

在留資格認定証明書(会社が自らスポンサーとなり、就労ビザを取得し海外にいる外国人を呼び寄せて社員として採用した場合)を取得して入社した外国人社員を試用期間中(試用期間満了後)に解雇するときには、会社は社員に対して速やかな帰国を促し、帰国手配を行う義務があります。その上で、本採用を行わずに解雇した旨・その理由などを、在留資格認定証明書を交付した入国管理局に対して書面で届けておくことも重要です。

 

一方、在留資格認定証明書ではなく、日本に滞在する外国人を新卒・中途入社で雇用し、その社員を解雇する場合については、帰国を促す必要はありませんが、この場合も、入国管理局への届出を行っておくことは重要でしょう。

その際に、解雇した外国人社員の氏名や就労許可番号などの基本情報と一緒に、「なぜ、雇用期間中(雇用期間満了後)にその社員を解雇したのか。」について、ごく簡単でかまいませんので、客観的に冷静に記載しておかれればよいのではないでしょうか。

【※】

ただし、解雇された社員が、新しい就職先を見つけて、引き続き日本国内で働いていく場合、その後も継続して入国管理局に対してビザの更新や転職許可の申請をしていかなければなりません。そのため、会社側から届け出る解雇理由の記載について、あまりに一方的な申告内容は、その方の将来のビザ取得に大きく影響を与えてしまう事を十分考慮されて、入国管理局への届出を行ってください。

 

なお、入国管理局への届出の書面については、当事務所でも書式を公開していますのでよろしければこちらも参考にしてください。

 

 sample.gif 【外国人社員に関する退職の連絡/入国管理局あて】 ※ PDFファイル

 

 

A 「試用期間」という制度について、採用時に十分説明し、社員の理解を深めておく。

そもそも、「試用期間」という制度そのものを知らない外国人も多いことを会社が認識した上で、オファーレター(採用を決定する前に雇用条件などを明記して社員に渡し、確認してもらう書面)や雇用契約書で、社員本人の試用期間に対する理解を深めておくことが必要です。

本人にきちんと口頭・書面で、試用期間について、下記のことを伝え、更に、オファーレターや雇用契約書に記載し、本人の了解を得ておく事が、将来の労使トラブルの防止につながるはずです。

 

  • 試用期間/Traial Periodがあること
  • 試用期間の期間、その間の取扱(社会保険や労働保険、賃金など)
  • 試用期間中、満了後の解雇がありうる事
  • 解雇する場合はその理由(職務怠慢、能力の著しい不足など)

 



【Q15】

退職する外国人社員に、退職証明書の交付を求められました。次回のビザ更新にも必要だそうです。どのような形式の退職証明書を発行すればよいのか教えてください。

 

【A】

日本人社員・外国人社員に拘わらず、御社で雇用している社員が退職するときには、労働基準法(第22条)の規定により、退職する社員に対し、退職証明書/Resignation Certificateを交付しなければなりません。(英語圏の方たちは、一般的に"Release Letter" と呼んでいるようです。)

 

この決まりに反し、退職証明書を発行しない企業に対しては、罰金(30万円)という罰則も規定されています。

退職証明書には、下記の5点について記載することになっています。

 

  1. 使用期間
  2. 業務の種類
  3. その事業における地位
  4. 賃金
  5. 退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)

 

ただし、退職する社員が、上記5点の内のどれか、例えば、「賃金については、記載しないでください。残りの項目のみを記載して発行してください。」と要求した場合には、要求された賃金についての記載を除外して退職証明書を発行しなければなりません。

また例外的に、外国人社員に対して発行するときには、特に下記の2点に注意していただく必要があります。

 

■ 職種・入社日・退職日の3点については、外国人社員本人により(除外の)希望があっても必ず記載すること。(この3点は記載項目から除外しない。)


■ 必ず日本語・英語併記で作成すること


なぜなら、この二点の注意点は、共に外国人社員が退職後に直面することになる、就労ビザの問題にからんでいるからです。

以下、簡単に説明します。


■ 職種・入社日・退職日の3点については、外国人社員本人による(除外の)希望があっても必ず記載すること。(3点は記載項目から除外しない。)


外国人社員が会社を退職した後、転職などで次の職場に移る場合(就労資格証明書=転職許可申請)や、又、自ら日本国内で起業する場合(在留資格変更許可申請)なども含め、退職後、外国人社員は、ご自分の就労ビザを引き続き有効なものとするために、入国管理局において様々な手続きを行う必要があります。

 

そのときに、彼らは入国管理局に対して、自分がいつからいつまで、どこでどんな活動(どの会社で何の仕事)をしていたのかを証明しなければなりません。

そのときに必要となるのが、この退職証明書です。

後述のリンク先に、退職証明書のテンプレート(※日英併記)を公開していますので、そちらでも細かく確認していただきたいのですが、就労ビザの申請手続きには、以下の項目が記載された退職証明が必ず必要なのです。

 

  • 職種
  • 入社日
  • 退職日

 

ですので、この3点については、外国人社員本人が「削除してくれ。」と希望しても、将来ビザの手続きに必ず必要になる事を説明した上で記載、発行してください。

※ この3点がない退職証明書は入国管理局が受付けません。ビザの申請手続きに使用する際、再度発行しなければいけなくなります。


■ 必ず日英併記で作成すること 

多くの外国人社員は、退職後、将来日本を去り、母国又は他の外国で働くことが殆どです。の場合も、退職証明書は海外の転職先でも提出しなければなりません。


また、母国以外の外国で働く場合、その国のビザも取得しなければいけないでしょうが、そのときのビザ申請にも退職証明書は必ず必要となるはずです。

そのような場合を考えると、日本語だけの転職証明書では役に立ちません。
必ず、日本語と英語の両方で作成したものを交付してください。
退職される社員にとっても、御社にとっても、後々の再発行の手間が省けます。

なお、退職証明書には、

 

  • 作成責任者の職種
  • 氏名と連絡先


も必ず明記してください。

入国管理局や転職先企業の担当者が確認のために連絡してくる場合もありますので、そのときに必ず連絡が取れるコンタクト先を記載しておく必要があるのです。

 

以下、外国人社員に発行する退職証明書(日英併記)のテンプレートのファイルを公開しておきますので、よろしければ参考にしてください。

リンクをクリックしていただければ開きます。またテンプレートは当事務所のオリジナルです。そのままご利用いただいて結構です。

 

  sample.gif 退職証明書(日本語・英語版)書式 ※ PDFファイル

 

 

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