外国人スタッフのための健康・厚生年金保険手続について

 

icon.mini.gif  外国人雇用に関する、その他の記事は下記リンクをクリックしてご覧ください。

 

 icon.mini.gif 外国人社員の就労ビザ取得手続きについては、下記のページからリンクをご覧ください。

 


 

このページでは、社会保険労務士の立場から、外国人スタッフに関する、健康保険と厚生年金保険(一括して社会保険といいますの手続きや注意点について説明しています。

icon.mini.gif  労働保険(労災保険・雇用保険)についてはこちらのページをご覧ください。

 

ご覧になりたい項目をクリックしてください。

 

1. 

 外国人スタッフの健康保険

 !.gif 海外に住んでいる親族を日本の健康保険の被扶養者にできるか

 

 

2.

 外国人スタッフの厚生年金保険

 !.gif 脱退一時金制度について

 !.gif 社会保障協定対象国出身者への対応について  

 

 

3. 

 海外本社に日本の社会保険制度について理解してもらうためには

 !.gif 加入義務の有無・会社・本人負担額について英語で説明しましょう。

paper!.gif 社会保険加入義務の有無・負担額試算資料 【日本語・英語】

 外国人マネージメント向けに当資料をご利用ください。

 

外国人スタッフのための健康保険

sample.gif 2017年6月・更新

 

このページでは、社会保険労務士の立場から、外国人を雇用するときの健康保険に関する手続きや注意点について説明しています。

 

__sozai__/0011754.jpg

・  このページで、「健康保険」と呼んでいるのは、全国健康保険協会(協会けんぽ)が運営する中小企業向けの健康保険制度のことです。

__sozai__/0012115.png 全国健康保険協会(協会けんぽ)ウェブサイト

 

・ 会社員以外の自営業者などが加入する国民健康保険とは区別しています。

国民健康保険制度含め、健康保険について給付内容などの更に詳しい情報をご覧になりたい方は、下記、厚生労働省のホームページもご覧ください。

__sozai__/0012115.png 我が国の医療保険制度について

 

ご覧になりたい項目をクリックしてください。

1

健康保険(協会けんぽ・旧政府管掌健康保険)に加入しなければならない使用者(事業主)とは?

2

健康保険に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?

使用者(事業主)も健康保険に入れる?

 

4

!.gif 外国人労働者が健康保険に入るメリットは何か?

海外に住んでいる家族を被扶養家族として医療費などの給付を受けることができます。

健康保険の保険料はいくら?

!.gif 健康保険料のシュミレーション

6 

社会保険加入が外国人労働者の就労ビザ更新の条件になるの?

!.gif2010年4月から就労ビザ更新時に健康保険証の提示が原則義務付けられました。

 

 


b.gif  健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?


 

政府(2008年10月に全国健康保険協会=協会けんぽに移管)が運営する健康保険については、基本的に、法人事業所であれば、業種・人数に関係なく加入しなければならず、このような自動的に健康保険への加入を適用される事業所を強制適用事業所といいます。

 

例えば、一人会社と言われる、取締役1名で会社を設立している会社でも、法人設立と同時に本当は必ず健康・厚生年金保険(両方セットで加入します。)に加入しなければいけません。(=強制適用事業所)

 

次に、法人化されていない、個人営業の事業所の場合は、雇用する人数や行う事業の種類によって、・ 必ず加入しなければならないか(=強制適用事業所)、又は、・ 加入が任意(事業所の希望で加入することもできる=任意適用事業所)なのか、次の2種類に分かれます。

 

1.強制適用事業所/法定16業種  

必ず加入しなければなりません。

下記の業種(個人営業)で、常時5人以上の従業員を使用する事業所

・製造業 ・土木建築業 ・鉱業 ・電気ガス事業 ・運送業 ・清掃業 ・物品販売業 ・金融保険業 ・保管賃貸業 ・媒介周旋業 ・集金案内広告業 ・教育研究調査業 ・医療保健業 ・通信報道業など                         

 

2.任意適用事業所

使用者と従業員が希望し、管轄の社会保険事務所に届け出・承認を受けることによって加入できる事業所です。(=法律上、絶対に加入しなければならない事業所ではありません。) 

 

  • 1.の事業であって、常時5人未満の従業員を使用する個人経営の事業所
  • 第一次産業(農林・水産・畜産業)、接客業(旅館・料理店・飲食店・理容業など)、法務業(弁護士・税理士・公認会計士など)、宗教業(神社・寺院・協会など) ※ 従業員数に関係なし

 

なお、外国人が経営する事業であっても例外はなく、上記の規定が同様に適用されます。

 

 


b.gif 健康保険に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?


 

前項の、「健康保険に加入しなければならない事業主=強制適用事業所」に雇用される労働者は、国籍・性別・年齢・賃金の額などに関係なく、次の「適用除外」に該当する場合(=加入させなくてもよい労働者)を除いて全て、「被保険者」(=加入させなければならない労働者)となります。

 

外国人労働者の場合であっても、健康保険の適用事業所に雇用される従業員が、日本人労働者と全く同様の雇用条件で働いてるのであれば当然に、健康保険(+厚生年金保険)に加入させなければならない労働者となります。

では、先ず、健康保険に加入させなくてもよい「適用除外者」とはどのような人たちのことなのかみていきましょう。

 

■ 「適用除外」に該当する場合(=加入させられない労働者)

@ 船員保険の被保険者 

A 所在地が一定しない事業所に使用される人 

B 国民健康保険組合の事業所に使用される人

C 厚生労働大臣、健康保険組合または共済組合の承認を受けて一定期間、国民健康保険の被保険者になった人

D 長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の被保険者等

E 季節的業務に使用される人(継続して4か月を超えて使用される場合を除く。)

F 臨時に使用される者であって、次の要件に該当する人

 イ)日々雇い入れられる者

 ロ)2か月以内の期間を定めて雇い入れられる者

G 臨時的事業の事業所に使用される人(継続して6か月を超えて使用されるべき場合を除く。)

__sozai__/0011753.jpg

ただし、E、F、Gについては日雇特例被保険者として加入する場合は適用除外にはなりません。

 

また、その他、運用面では下記のような条件の下で働く労働者についても健康(厚生年金)保険には加入させなくてもよいことになっています。

 

■ その他、「健康保険に加入させなくてもよい労働者」

従業員(被保険者数)が500名を超えない事業所の場合

  • パートタイマーなどとして働く労働者の場合で、1日の労働時間・または1ヵ月の労働時間が、その会社で働く正社員と比較して、(正社員の)1日または1週間の労働労働時間の4分の3以下であると同時に、(正社員の)1ヵ月の労働時間の4分の3以下であること。
  • 社会保障協定締結国出身者で、出身国の健康保険制度に加入している外国人労働者

 

なお、従業員数(被保険者数)が501名以上の事業所の場合は、上記の条件に該当する従業員に加えて、下記の要件を全て満たす場合は、健康保険(及び厚生年金保険)に加入させなくてもよいことになっています。(=下記の要件を全て上回る場合は加入させなければいけません。)

 

@ 1週間あたりの決まった労働時間が20時間を超えていない事
A 1か月あたりの決まった賃金が88,000円を超えていない事
B  雇用期間の見込が1年を超えない事
C  夜間・通信・定時制「以外」の学生であること。

__sozai__/0011753.jpg

 「従業員数が500名を超えない事業所」の場合であっても、社会保険に加入することについて、労使間で合意がされている事業所については、上記4点の要件を(全て)上回る従業員を適用除外にすることはできません。(2017年4月以降) 

 

外国人労働者によっては、「健康保険だけは入りたいけれど、掛け捨てになる厚生年金には入りたくない。」と加入を渋る方も多々いらっしゃいます。

しかし、健康保険と厚生年金保険はセット加入(両方同時に加入手続きを行います。)が原則であり、「こっちの保険は入りたいけど、そっちには入りたくない。」という風に自由に自分たちの都合で選択することはできません。

(※ 社会保障協定の該当者を除く。)

 

加入を渋る外国人労働者の方がいらっしゃる場合、会社側から、健康保険に加入するメリット、また厚生年金の場合は、掛け捨て防止のための「脱退一時金制度(厚生年金保険編に記載)」について、よく説明していただき、皆さんに納得していただくしかないでしょう。   

 

 


b.gif 使用者(事業主)も健康保険に入れる?


 

法人の代表取締役や、強制適用事業所に当てはまる個人事業主(icon.mini.gif健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?をご確認ください。)は、健康・厚生年金保険に加入できます。(被保険者となることができます。)

もちろん、代表取締役や(強制適用事業所・任意適用事業所の)個人事業主が外国人であっても、それは同じ扱いとなります。

ただし、強制適用事業所・任意適用事業所以外の個人事業主に関しては、健康保険・厚生年金保険、ともに被保険者とはなりません。

 

 


b.gif  外国人労働者が健康保険に入るメリットは何か?

海外に住む家族を被扶養家族にして、家族の医療費をカバーできるか? 


 

外国人労働者が健康保険に加入するメリットはもちろん、労働者本人のケガや病気に対する備えとということがありますが、それ以外の大きなメリットとして、海外に住んでいる外国人労働者の親族を日本で加入する健康保険に「被扶養家族」としてカバーすることができる点です。

 

例えば、日本で働いている外国人が健康保険(または健康保険組合)が定めている、「被扶養家族」の条件に当てはまれば、外国人本人の被扶養者として彼らを自分の健康保険でカバーして給付を受けることができるのです。

 

「被扶養家族」として認定される主な親族としては、・ 配偶者(事実婚含む・年収130万円未満)・ 子供・親(60才以上の場合は年収180万円未満)弟妹(年収130万円未満)などがありますが、それぞれ他にも細かい収入額の要件があり、その要件に確実に該当しなくては認めらません。

!.gif 健康保険・被扶養者とは?(協会けんぽウェブサイト)

 

なお、被扶養配偶者の条件は、外国人労働者が加入している健康保険が、このページで説明している協会けんぽの健康保険ではなく、企業が個別に加入する、健康保険組合が管掌する健康保険の場合は、(協会けんぽ管掌の)健康保険とは要件が異なる場合がありますのでご注意ください。健康保険組合に加入している企業様の場合、加入している健康保険組合に直接お問合せください。

 

また、外国人労働者の場合、被扶養者となる家族の状況を証明する書類を取り寄せ、日本語に翻訳して提出するなど多少のコストと労力がかかりますが、認められれば海外の扶養家族が支払った医療費などを日本の健康保険から給付してもらうことが可能です。

 

ただし、海外の被扶養家族が自国で日本の健康保険証を提示して医療を受けることはできませんので、いったん自費で全額医療費を立て替えてから、領収書を日本の外国人被保険者に送り、本人が本人負担分を差し引いた額を日本円で払い戻してもらうシステムになっています。

また、海外で受けた治療内容が、日本の健康保険法で保険給付の対象として認められている治療内容と合致していない場合は給付を受けること=払い戻しを受けることはできません。

 

また、医療費だけではなく、たとえば本国に残してきた配偶者が出産する場合なども健康保険から出産一時金の給付を受けることができますし、不幸にも日本で負傷・病気にかかり帰国した場合でも、決められている条件にさえ合えば、帰国後も傷病手当金などの所得保障を受けることが可能なので、こういったメリットを外国人スタッフに伝えて社会保険への加入に納得してもらうのもよいかもしれません。

 

 


b.gif  健康保険の保険料はいくら? 


 

健康保険の保険料は、雇用主(会社)と労働者が折半して支払います。

 

保険料率は、2017年6月現在40才以下の労働者の場合で、給与額の平均である、「標準報酬月額」×9.91%40才以上の労働者(介護保険料率含む)の場合は11.56%となっています。(協会けんぽ/東京都限定・料率は都道府県ごとに異なります。)

 

計算方法として、まずは、労働者の賃金に支払う月額の賃金総額をもとに、標準報酬月額等級表(協会けんぽホームページ)から労働者の「標準報酬月額」(※ 給与額の平均のようなもの)を割り出します。

 

!.gif 健康保険料負担のシミュレーション (2017年6月現在)

 

例えば、 月総額30万円(内1万は交通費)の給与を支払われている労働者(39歳)の健康保険料は標準報酬月額等級表を見ると、第22級の標準報酬月額30万円に該当するので、29,730円となります。 (2017年6月現在・東京都の場合)

 

29,730円の内、半分の14,865円ずつをそれぞれ会社と労働者本人が負担することになりますが、この29,730円というのは40才未満の介護保険の被保険者でない労働者に対する保険料でです。

同額の給与を受け取る労働者が、40才以上で介護保険の第2号被保険者の場合は、健康保険料と介護保険料を合わせた保険料を支払うことになり、保険料総額は34,680円となります。(事業主と労働者それぞれ17,340円ずつ負担します。)

 
 

また、健康保険と厚生年金の保険料は1年ごとに改定されますので(健康保険は3月、厚生年金保険は9月)、毎月最新の標準報酬月額表を使用して保険料額を控除・納付することが重要です。

※ 時々、保険料額が改定されていない古い標準報酬月額表をもとに、給与計算を行っている会社を見かけることがあります。十分お気をつけください。

※ 厚生年金保険の保険料率は、2017年9月に改訂される18.3%で固定される予定です。

 

なお、賞与(年度累計額573万円までが対象・2017年6月現在)についても、年3回以内の回数で支払われるものを対象とし、月額の健康保険料とは別に、(賞与に対しても別途)上記保険料率を掛けて計算した健康保険料を納付しなければなりません。

__sozai__/0012115.png 標準報酬月額・標準賞与額とは?(協会けんぽウェブサイト)

 

 


 b.gif  社会保険加入が外国人労働者の就労ビザ更新の条件になるのか?


 

2009年3月に発表された、在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正)(2010年3月再改正【法務省・入国管理局】 によると、2010年4月以降、外国人労働者が就労ビザ申請を行う際、入国管理局の窓口において、健康保険証を提示することが義務付けられました。

これによって、事実上、外国人労働者の就労ビザの変更や更新の不可の審査基準の一つとして社会保険に加入していることが加えられることになりました。

__sozai__/0012115.png 2010年3月発表のガイドライン/入国管理局 

 

ガイドラインでは、健康保険・厚生年金・国民健康保険・国民年金に加入していない企業・労働者が、就労ビザの変更・更新の際に健康保険証を提示できない場合、その事だけをもって申請を不許可にすることはしないと明示しています。

 

ただし、明らかに社会保険(企業の健康保険・厚生年金)の強制適用事業所や、国民健康保険・国民年金の加入対象者でありながら、特別な事情がなく不当に社会保険に加入していない雇用主・外国人本人が、変更や更新申請を行った場合、社会保険未加入を理由の一つとして申請が不許可になる可能性がないとはいえません。十分にご注意ください。

 

また、当ガイドラインの改正では、他に下記のような、審査基準項目も追加されています。外国人労働者を雇用する企業さまにとって重要な留意点になります。よくご確認ください。

 

 

__sozai__/0022642.png 就労ビザ更新に関して改正(追加)された主な審査基準 


 雇用・労働条件が適正であること

【入国管理局】 

我が国で就労している(しようとする)場合に は,アルバイトを含めその雇用・労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して許否を決定します。

 

 ■ 納税義務を履行していること

【入国管理局】 

納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。

  • なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,悪質なものについては同様に取り扱います。

 

__sozai__/0012115.png 在留資格の変更・在留期間更新のガイドライン(2010年3月改正) 入国管理局

 

 

 

・ 外国人スタッフの(厚生年金保険)のページにジャンプする

・ 外国人スタッフの(労災・雇用保険)のページにジャンプする

・ このページのトップにもどる

外国人スタッフのための厚生年金

sample.gif 2017年6月・更新

 

このページでは、社会保険労務士の立場から、外国人を雇用する場合の厚生年金(一部国民年金含む)に関する手続きや注意点について記載しています。

 

なお、このページでいう、厚生年金とは、会社などに雇用されている会社員が加入する「厚生年金保険」を指しています。

会社員以外の自営業者などが加入する国民年金と厚生年金の制度は一元化されているため、それぞれの加入者(=被保険者)の種類の呼称(例:第1号〜3号加入者)などが重複し、制度の複雑さを説明するためには十分な解説が必要になります。

 

このサイトでは、外国人労働者を雇用する場合の「脱退一時金」や、社会保険料の二重払いを防ぐために作られた、「社会保障協定」とその実際の手続きについて解説することを目的としていますので、年金制度自体を詳しくお知りになりたい方については、下記日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。

__sozai__/0012115.png 年金について (日本年金機構)

__sozai__/0012115.png 年金のことを調べる (日本年金機構)

 

 

ご覧になりたい項目をクリックしてください。

厚生年金保険に加入しなければならない事業者とは?

厚生年金保険・国民年金の被保険者の種類(分類)

 

3

 

厚生年金に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?

健康・厚生年金の「社会保障協定」締結相手国出身者のケース

厚生年金に加入しない(できない)外国人労働者はどうすればいい?

 

5

!.gif 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 【1】

脱退一時金制度と手続きについて

icon.mini.gif 当事務所のブログでも紹介しています。→ 脱退一時金の請求方法は?

 

 

!.gif 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 【2】

自国と日本の年金期間や給付が合算される社会保障協定について

icon.mini.gif 当事務所のブログでも紹介しています。→ 社会保障協定について

 

!.gif 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?  【3】

2009年4月以降、就労ビザ申請時に健康保険証の提示が必要になりました。

 

 


b.gif  厚生年金保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?


 

基本的に健康保険(全国健康保険協会が運営)と厚生年金には、会社などの法人であれば、法人を初めて設立した日から5日以内に、2保険セットで加入する義務があります。

 

健康保険だけ、厚生年金保険だけ、というように、どちらか一方だけを選択して加入することはできません。

 

厚生年金保険に加入することが法律で決まっている事業所(「強制適用事業所」といいます。)については、ほぼ、全項目で説明している、icon.mini.gif 健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)と同じです。こちらのページでご確認ください。

 

 


b.gif 厚生年金保険・国民年金の被保険者の種類(分類)


 

厚生年金保険と国民年金は制度上、一元化されていますので、両保険の被保険者の分類についても同様です。

つまり、国民年金の被保険者の分類である「第2号」は、同時に厚生年金の被保険者(厚生年金に加入している企業や事業所の社員)であるということです。

 

ちなみに、国民健康保険「第1号被保険者」というのは、自営業者を含む、厚生年金の被保険者以外の人たちで60才未満の人たち(※任意加入者などは除く)が該当します。

国民健康保険「第3号被保険者」は、第2号被保険者である厚生年金の被保険者(企業の社員)に扶養される配偶者のことで、妻または夫がこれに該当します。

 

第3号被保険者として認定されるためには、第3号本人に関する収入要件等があり、(第3号本人の)年収が130万円以下でなければなりません。

この要件に該当すれば第3号被保険者は、毎月の国民年金保険料(16,490円/2017年度)を納めることなく、将来国民年金の基礎年金部分を受け取ることができることになっています。

 

■ 国民【厚生】年金保険の被保険者の分類

種別

国籍 

日本国内の在住要件 

年齢

該当者例 

 

1号

 

制限なし 

 

日本に在住している必要有

20才以上

60才未満 

2,3号以外の者

※外国人も含む 

 

 

2号

 

 

制限なし 

 

 

日本に在住していなくても可

制限なし

※但し既

に年金受

給者であ

る65才

以上除く 

厚生年金・共済年金

などの加入者

※外国人も含む 

 

 

3号

 

 

制限なし 

 

 

日本に在住している必要有

 

20才以上

60才未満 

2号(厚生年金・共済年金

などの加入者)の夫や妻

などの被扶養配偶者

※外国人も含む 

 

 


b.gif  厚生年金に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?

康・厚生年金の「社会保障協定」締結相手国出身者のケース


 

会社や事業所が厚生年金に加入している場合は、その事業所に雇用されている従業員はすべて厚生年金に加入させなければならないのが原則ですが、健康保険と同様に厚生年金にも個々の従業員の勤務時間や状況によって、「加入させなくてもよい労働者」という人たちがいます。

 

その条件についても、健康保険とほぼ同じ内容になりますので、まずはicon.mini.gif 健康保険に加入させなければならない労働者、健康保険に加入させなくてもよい労働者のページをご確認下さい。

 

ただし、健康保険には加入するものの、厚生年金は、政府が管掌する厚生年金ではなく、共済組合に入る方、または、健康保険では除外されている「船員保険」の被保険者は厚生年金の被保険者になるなど、多少異なる点はあります。

これらについて、詳しく知りたい方は下記、日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。

__sozai__/0012115.png 公的年金の種類 (日本年金機構)

__sozai__/0012115.png 船員保険について (日本年金機構)

 

さて、では、外国人従業員に対する厚生年金加入の問題についてははどうなるのでしょうか。

こちらについては、外国人従業員の出身国が、日本と厚生年金の社会保障協定を結んでいるかどうかで取扱いが変わります。

 

社会保障協定という言葉を初めて耳にした方もおられると思いますが、この制度は、たとえば日本から海外、海外から日本へ行ったり来たりして働く場合、自分の国(日本または海外)で加入していた厚生年金保険(健康保険)をやめて、短期間でも相手の国の保険に加入しなければならないのか、または、自国の保険にも加入したまま、日本の保険にも入って保険料を自国の保険の日本の保険両方二重に払うことになるのか...といった問題に対応するために、日本と外国政府の間で個別に取り決められた協定(=取り決め)のことです。

 

社会保障協定を締結している国の出身者を雇用する場合は(日本現地採用の場合はあまり問題になりませんが、海外の親・子会社などから転勤で赴任してくる外国人が該当することが多いでしょう。)厚生年金保険または健康保険を自社(日本)の被保険者として保険に加入させるのか、またはさせないのかという問題が発生します。

 

icon.mini.gif 詳しくは、「厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?【2】/自国と日本の年金期間や給付が合算される、社会保障協定について」の項目をご覧ください。

 

2017年1月現在、この「社会保障協定」を締結し発効している国は、・ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インドの16か国です。

※ 発効前で既に署名を完了している国もあります。

 

上記の国の出身者の場合、健康保険は日本で加入させるが、厚生年金は出身国の保険に入り続けるため日本では加入しない(厚生年金のみ社会保障協定を結んでいて、健康保険については社会保障協定を結んでいないので、日本の健康保険に加入する必要がある。)場合や、健康保険も厚生年金も日本では加入しない(相手国によっては、健康保険と厚生年金保険両方で社会保障協定を結んでいるので、その国の出身者が対象。)ケースが発生します。

__sozai__/0011753.jpg   

赴任先の国の社会保険に入るか、または自国の保険に加入し続けるかは、赴任時に見込まれる相手国での滞在期間によって決定します。

 

 


b.gif   厚生年金に加入しない(できない)外国人労働者はどうすればいい?


 

勤務する事業所が厚生年金に加入していない、またはパートタイマーなど短時間労働者として働いていて、厚生年金の加入要件に当てはまらないため、会社の厚生年金保険に加入できない外国人社員(icon.mini.gif 健康保険の加入要件/「健康保険に加入させなければならない労働者とは?」をご参照ください。)は、国民年金に加入することになります。

 

厚生年金保険と健康保険は2保険セットで加入しなければならないことは前述のとおりですが厚生年金に加入しないということは健康保険にも加入できないということなので、この場合、外国人従業員には会社の保険とは別に、ご本人が住んでいる地域の国民健康保険と国民年金に加入することになります。

__sozai__/0012115.png 国民年金について (日本年金機構)

 

 


b.gif   厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?

 【1】 脱退一時金制度


 

「外国人スタッフのための健康保険」のページでも記載したように、外国人従業員の方の中に時々、「健康保険には入りたいけど、厚生年金保険は掛け捨てになるので入りたくない。」とおっしゃって社会保険への加入を渋る方がいらっしゃいます。

 

たしかに、年金期間と給付を自国の年金制度と合算することができる、「社会保障協定」を結んでいる国の出身外国人であれば問題はありませんが、それ以外の外国の出身者の場合、そのような不満を持たれるのはしかたがたないかもしれません。

こういう場合には、ご本人の帰国時に払った保険料の一定額が払い戻される、脱退一時金制度を説明して差し上げるとご本人に納得していただけることが多いようです。

 

脱退一時金というのは、短期間日本に在住・日本の年金制度(国民年金・厚生年金・共済組合など)に、6ヵ月間以上加入して帰国する外国人に対して、払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度のことです。英語では、Lump-sum Withdrawal Payment といい、保険料の掛け捨て防止を目的に作られた制度です。

 

以下に、脱退一時金を受け取る条件・脱退一時金の計算式や手続きの流れについて記載します。詳細は下記、日本年金機構のホームページも併せてご覧ください。

__sozai__/0012115.png 短期在留外国人の脱退一時金 (日本年金機構)

!.gif 各国語によるパンフレットと請求書をダウンロードできます。

 

■ 「脱退一時金」を受け取ることができる外国人の条件

  • 日本国籍を持っていないこと
  • 厚生年金または国民年金の加入期間が6ヵ月以上あること
  • 日本に住所がないこと
  • 障害年金などの年金を受ける権利を持っていない・かつて持たなかった者であること。

 

■  「脱退一時金」の額

脱退一時金の支給額は、国民年金と厚生年金とで計算式が異なります。

計算式については、下記、日本年金機構のウェブサイトから、対象外国人の加入期間をあてはめて計算してください。

__sozai__/0012115.png 脱退一時金の額の一覧 *2017年6月 (日本年金機構)

 

■ 「脱退一時金」請求に必要な書類

@  __sozai__/0012115.png 脱退一時金請求書 *日英版・例 *PDFファイル 12ページ

(国民年金・厚生年金同じものを使用)

 

A パスポートの写し(最後に日本を出国した年月日、氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格が確認できるページ)

 

B 年金手帳・原本

 

C 「銀行名」、「支店名」、「支店の所在地」、「口座番号」及び「請求者本人の口座名義」である事を確認できる書類(銀行が発行した証明書等。または、@の請求書中の「銀行の口座証明印」の欄に銀行の証明を受けて提出。

 

■ 「脱退一時金」の請求手続きの流れ 

 

__sozai__/0022659.gif

「脱退一時金」には、国民年金の場合、所得税が控除されませんが、厚生年金や共済年金の脱退一時金の場合、予め所得税が源泉徴収された額が支払われます。

この所得税控除は後で、外国人が住んでいた住所地の税務署に申告することで還付を受けることができます。

したがって、源泉徴収された控除額(脱退一時金総額の20%)の還付を受けたい外国人は、帰国前に住所地を管轄する税務署に、「納税管理人の届出書」を提出し、ご自分の帰国後に還付手続きを代理してもらう人(日本人でなくとも日本に在住していれば問題ありません。)を決めておきます。

尚、この「納税管理人」を指名せずに、帰国した場合は、この所得税の還付申告時に納税管理人の届出書を同時に提出することもできます。

 

__sozai__/0022661.gif

帰国した外国人が、「請求に必要な必要な書類@」の「脱退一時金裁定請求書」を記載し、振込希望の銀行の証明書、または@の「銀行証明欄」にスタンプをもらい、年金手帳を添付して、日本年金機構・外国業務グループに郵送します。

 

__sozai__/0022663.gif   

(2)で書面を受け取った日本年金機構が、提出書類を確認し、振込希望の本人自国の銀行口座へ振込。 実際に本人の口座に振り込まれるまでは、書類を郵送・提出後3〜4ヵ月かかります。

__sozai__/0011753.jpg   

ドルやユーロ以外の基軸通貨以外の通貨での振込については制限がある場合があります。

 

__sozai__/0022665.gif

日本年金機構から郵送で外国人本人に、「脱退一時金決定通知書」が送付されます。

厚生年金保険の場合は、支払われた脱退一時金から所得税が控除されているので、この決定通知書を【ステップ1】で本人が帰国前に日本の住所を管轄する税務署に届け出た、「納税管理人」に郵送し、納税管理人が本人に代わって税務署での還付申告を行うことになります。

 

■ 「脱退一時金」の請求期限

最後に国民年金(厚生年金など)の被保険者の資格を失った(日本に住所がなくなった)日から2年以内に請求しなければ、脱退一時金を請求する権利がなくなります。

ここでの注意点は、(日本に住所がなくなった日)から2年ですので、日本にいる(=住所がある)場合は、たとえ勤務していた会社を辞めて厚生年金や共済組合を脱退したとしても、脱退一時金の請求を行うことはできない点です。

 

厚生年金保険の加入を望まない外国人の方には、この脱退一時金制度の説明をすることによって、すんなりと社会保険への加入手続きが進むこともありますのでぜひお試しください。

以上、脱退一時金の詳細について、前述のパンフレットをご覧になっても不明な場合は、下記、日本年金機構の担当部署に直接お問い合わせください。

 

日本年金機構 (外国業務グループ)

〒168-8505 東京都杉並区高井戸西3-5-24
電話: 03(81)-3-6700-1165 (日本語のみ対応)

 

__sozai__/0011753.jpg

当事務所のブログ、「日本で働く外国人についてのブログ」でも、脱退一時金についてとりあげています。重複している部分もありますが併せてご覧ください。

icon.mini.gif 日本で働く外国人についてのブログ → 帰国した外国人、脱退一時金の請求方法は?

 

 


b.gif 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?

 【2】 社会保障協定


 

厚生年金に加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者とは?」の項目でも記載したとおり、我が国日本は2017年1月現在、以下のような国々と保険料の二重払いを防ぐために社会保障協定を結んでいます。

社会保障協定については、下記関係行政機関のウェブサイトもご覧ください。

__sozai__/0012115.png 社会保障協定について (厚生労働省)

__sozai__/0012115.png 社会保障協定とは何ですか? (日本年金機構)

 

icon.mini.gif 当事務所のブログ、「日本で働く外国人についてのブログ」でも、社会保障協定についてとりあげています。重複している部分もありますが併せてご覧ください。

日本で働く外国人についてのブログ → 外国人と日本人が海外で働くときの社会保障協定

 

■ 日本が社会保障協定を結んでいる相手国 *2017年1月現在

 

 

 

状況 

 

期間の通算

ができるか 

 

二重払防止の対象

 となる社会保障

 

   

日 本

  相 手 国    

ドイツ 

 発効済

 年金

 年金

英国 

 発効済

 ×

 年金

 年金

韓国 

 発効済

 ×

 年金

 年金

米国

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

ベルギー 

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

 労災

 雇用

フランス 

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

 労災

カナダ 

 発効済  

 

 年金

 年金

 ※ケベック州除く

オーストラリア 

 発効済

 

 年金

 

 退職年金

オランダ 

 発効済  

 

 年金

 医療

 年金

 医療

 雇用

チェコ 

発効済

 

 年金

 医療

 年金

 医療

雇用

スペイン  発効済  ○ 年金 年金
アイルランド  発効済 年金 年金
ブラジル  発効済 年金 年金
スイス  発効済 年金
医療
年金
医療
雇用
ハンガリー  発効済 年金
医療
年金
医療
雇用
インド  発効済 年金 年金

   

日本から海外あるいは海外から日本へ行ったり来たりして働く場合、もともと自分の国(日本または海外)で加入していた厚生年金保険や健康保険などの社会保険から脱退して短期間でも相手の国の保険に加入しなければならないのか...相手国の保険に加入する場合、自分の国で入っている保険を辞めなければいけないのか、それとも両方に入って保険料を2倍払わなければいけないのか...といった問題が発生します。

 

社会保障協定とは、こういった問題を解決するために、日本と海外数か国との間で取り交わされた協定のことで、この社会保障協定を締結している国の出身者を雇用する場合(海外の親・子会社などから転勤で赴任してくる外国人が該当。外国人を日本で現地採用する場合は、最初から日本の社会保険制度に加入します。)、厚生年金保険を始めとする健康保険や雇用保険・労災保険を自社の被保険者として保険に加入させるのか、またはさせないのかが変わってきます。

 

なぜなら、この「社会保障協定」を締結している国は、2017年1月現在、ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド)の16か国ですが、これらの国々と締結している社会保障協定の内容は、

 

  • 年金については社会保障協定を結んでいるが、健康保険については結んでいない。
  • 年金についても健康保険についても社会保障協定を結んでいる。
  • 年金・健康保険・労災保険・雇用保険も社会保障協定を結んでいる。

 

というように、相手国によって個別の締結内容が様々に異なるからです。

ですので、外国人社員の出身国によって例えば、健康保険については日本で加入させるが厚生年金は出身国の保険に入り続けるため日本では加入しない(派遣時に見込まれる日本での滞在期間によって決定)場合や、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険も日本では加入しないというケースが発生します。

 

■ 日本で働く、社会保障協定締結相手国出身の外国人労働者の取扱い

日本と社会保障協定を結んでいる国出身で、その国の社会保障制度に加入している外国人の場合、日本の制度に加入するか、それとも自国の社会保障制度に加入し続けるかどうかは下記の判断基準によって決まります。

 

__sozai__/0011848.png 自国の社会保障に加入継続・日本の制度には加入しないケース

日本へ派遣される当初に見込まれる派遣(赴任)期間が、当初から「5年以内」と見込まれる場合がこれにあたります。

 

__sozai__/0011849.png 自国の社会保障ではなく、日本の制度に加入するケース

日本へ派遣される当初に見込まれる派遣(赴任)期間が、当初から「5年を超える」と見込まれる場合は、日本の健康保険や厚生年金保険に加入することになります。

 

■ 二重加入防止の考え方

この社会保障協定の二重払い防止の基本的な考え方は、海外の事業所から日本の事業所へ派遣される人の健康保険や厚生年金などの社会保障に関して、派遣先(日本)の国の制度にだけ加入することを基本として、一時的(5年が目安)に日本に派遣されるてくる外国人については、例外的に、自国の制度にのみ加入し、保険料の二重払いを防止しましょう...ということです。

 

■ 年金制度については加入期間の通算がされる

年金に関する社会保障協定の考え方については、一方の国の年金制度の加入期間だけでは、受給資格を満たさないような場合、海外赴任していた間、赴任先(社会保障締結相手国)で加入していた年金加入期間も通算しましょう、というのがその基本です。

 

日本の国民年金は最低25年加入しないと老齢年金を受け取ることができません。(2017年8月より、25年が「10年」に短縮されます。)

 

一方、ドイツの老齢年金を受け取るための最低加入期間は5年です。

例えば、ある日本人が日本の年金制度に23年加入後、ドイツに赴任し2年間だけドイツの年金に加入したとします。

こういったケースでも、両国の社会保障協定締結以前は、どちらの保険も加入期間不足で全く年金を受け取ることができませんでした。

 

でも、この社会保障協定が両国間で結ばれたことによって、日本の23年とドイツの2年が合算され、25年となり、この日本人は日本に帰国したのち、老齢年金の受給資格を満たすことができ年金を受け取ることができるという訳です。

!.gif

2017年8月以降、日本の老齢年金の加入期間は25年から「10年」に短縮されます。

 

ただし、ここで重要な点は、この年金加入期間の通算については上記表に記載した、社会保障協定国全てに適用される訳ではなく、「期間通算」の欄に×が付いている国、英国と韓国には適用されません。

つまり英国と韓国からの赴任者・または日本からこの2か国へ赴任した日本人には、それぞれ相手国で適用された社会保障期間は通算されることはなく、それぞれの国ごとに決められた支給要件を満たさなければ、各国の年金を受け取ることができなことになりますのでご注意下さい。

 

■ 社会保障協定締結相手国の外国人を日本の社会保険の適用から外す場合の取扱い

 

__sozai__/0022659.gif

日本で働く、社会保障協定締結相手国出身の外国人労働者の取扱い」の項目で説明したように、赴任時の赴任期間見込みが5年以内の場合は、日本の社会保険や場合によっては労災・雇用保険の適用から外さなければなりません。

この手続きのためには、外国人本人が、日本に赴任されてくる「前」に、自国の年金担当窓口で適用証明書という、日本の社会保障制度加入を免除されるための証明書を入手します。

外国人はこの証明書を持参して来日します。

 

__sozai__/0022661.gif

日本の赴任勤務先で、「適用証明書」を提出。

勤務先を通じて、日本の社会保険事務所に届け出ることによって、日本の社会保障への加入が免除されます。

 

以上のような流れで、社会保障協定締結相手国の日本の社会保険適用が免除されます。

 

もしも、初めて社会保障協定を締結している国出身の外国人を受け入れる場合には、御社を管轄している年金事務所に手続きの詳しい説明を求めることが大切です。

例えば、 こういった社会保険保障協定制度があることを知らずに、協定締結国からの派遣労働者を受け入れ、自国と日本で保険料の二重払いをしていたような場合、少なくとも日本の社会保障制度での保険料の払い戻しを受ける権利の消滅時効は2年間です。

 

このような場合、2年間しか遡って払い戻し請求をすることができず、残念ながら二重払いした分を取り戻すことができなくなってしまいます。

せっかくこういった良い制度があるのですから、できるだけ有効に、御社と外国人従業員のために上手に活用していただければと思います。

 

 


 b.gif 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 

  【3】 就労ビザ変更・更新時の審査基準の一つです。     


 

2009年3月に発表された、在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正)(2010年3月再改正【法務省・入国管理局】 によると、2010年4月以降、外国人労働者が就労ビザ申請を行う際、入国管理局の窓口において、健康保険証を提示することが義務付けられました。

これによって、事実上、外国人労働者の就労ビザの変更や更新の不可の審査基準の一つとして社会保険に加入していることが加えられることになりました。

__sozai__/0012115.png 2010年3月発表のガイドライン (入国管理局)   

 

ガイドラインでは、健康保険・厚生年金・国民健康保険・国民年金に加入していない企業・労働者が、就労ビザの変更・更新の際に健康保険証を提示できない場合、その事だけをもって申請を不許可にすることはしないと明示しています。

 

ただし、明らかに社会保険(企業の健康保険・厚生年金)の強制適用事業所や、国民健康保険・国民年金の加入対象者でありながら、特別な事情がなく不当に社会保険に加入していない雇用主・外国人本人が、変更や更新申請を行った場合、社会保険未加入を理由の一つとして申請が不許可になる可能性がないとはいえません。十分にご注意ください。

また、当ガイドラインの改正では、他に下記のような、審査基準項目も追加されています。外国人労働者を雇用する企業さまにとって重要な留意点になります。よくご確認ください。

 

 

  __sozai__/0022642.png  就労ビザ更新に関して改正(追加)された主な審査基準 

 

  • 雇用・労働条件が適正であること
    【入国管理局】 我が国で就労している(しようとする)場合には,アルバイトを含めその雇用・労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。
    なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して許否を決定します。

 

  • 納税義務を履行していること
    【入国管理局】 納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。
    なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,悪質なものについては同様に取り扱います。

 

 __sozai__/0012115.png 在留資格の変更・更新許可のガイドライン(改正)

 

 

 

・ 外国人スタッフの(健康保険)のページにジャンプする

・ 外国人スタッフの(労災・雇用保険)のページにジャンプする

・ このページのトップにもどる

海外本社を説得するために 〜 日本の社会保険負担について英語で説明しましょう

 

日本に駐在員事務所や日本支店・日本支社(外資系企業)を新規設立した場合、それらの事業所でもこれまで説明してきた、日本企業とほぼ同様に労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険への加入義務が発生します。

 

ただ、日本で初めて拠点を設立して事業を始めようとする代表者の方は、これまで国内の中規模以上の企業で、一般の社員として勤務されていたために、社会保険についてはあまり知識をお持ちでない日本人の方や、そうでなければ海外の親会社から派遣されて来日される外国人の方が殆どのようです。

 

特に外国人が代表者の場合ですが、一般的な日本人が代表者であれば、ある程度知識として持っている日本の社会保険制度を親会社の外国人マネージメントに対し、一から説明し、加入した場合の社員と会社の負担額についても納得してもらわなければいけません。

 

この、説明作業は、日々の本業が忙しい代表者の方にとって、結構骨が折れる仕事なのです。

というのも、海外の企業は特に、国外拠点の運営にかかるコスト、特に人件費については最初からどの程度のコストがかかるのか(=どの程度のコスト負担を許容できるのか)を厳しく試算をし、計画をたててから進出してきます。

 

そのコストを下げるためにも、親会社は最初に、個別の従業員に対して会社が支払える総支払額(グロス額)の人件費を決めますが、その総支給額の中には、会社が負担する社会保険料の負担額などの経費も含めている場合が多いです。

ですので、その場合、社員が受け取る基本給額は、会社が負担する社会保険料分が差引かれた金額となります。

 

ただし、外資系企業でも大企業はまた別です。逆に、本国から派遣されてくる社員に関しては、本人の社会保険料負担分や所得税まで会社が支払う前提で総支給額を設定する仕組み *グロスアップ計算*を導入しているケースが多いのです。

 

このような事情がありますので、日本に初めて進出してくる外資系企業のマネージメントは、日本拠点が加入する社会保険に関して、主に次の、2点を最重視して情報を求めてきます。

 

  • そもそも社会保険に加入しなければいけないのか?(法律で、加入が義務付けられているのかどうか。コンプライアンス上、法違反となるなら加入するが、加入の義務がないものは加入したくない。)
  • 加入する場合、どんな種類の社会保険に入って、会社(と社員が)負担する金額は最終的にいくらになるのか。

 

日本拠点の設立後、社員の社会保険加入に関して説明を求めてくる親会社に対しては、この2点を中心に納得してもらえるよう説明すれば、ほとんどの場合、その後の加入手続がスムーズに進むことが多いようです。

 

ですので、当事務所では、下記添付資料などを活用して、親会社に対し、日本の社会保険の加入義務の有無・加入した場合の保険料の試算方法を説明しています。

 

この資料は日本語と英語を併記していますので、日本人代表者の方も無理なくご理解いただきながら英語版で親会社に対して説明していただけるよう作成しております。

当事務所オリジナルですので、よろしければ親会社向けの説明にご利用ください。 

 

paper!.gif日本の社会保険について 

〜加入義務の有無と負担額試算に関する資料(日本語・英語版)

※ 2013年4月改訂版・全10ページのpdfファイルです。

!.gif

社会保険の保険料率は随時改定されます。こちらの資料を参考にされる場合は、随時最新の数字をお使いください。

 

また、当事務所では、日本法人設立・外資系企業の駐在員事務所・日本支店・日本支社設立時の社会保険新規加入手続きを代行しております。

当事務所へのご依頼に関し、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にご連絡ください。

 

 icon.mini.gif 若松絵里社労士・行政書士事務所へのお問合せ方法

 

 

・ 外国人スタッフの(厚生年金保険)のページにジャンプする

・ 外国人スタッフの(労災・雇用保険)のページにジャンプする

・ このページのトップにもどる