外国人スタッフのための健康保険

sample.gif 2017年6月・更新

このページでは、外国人を雇用する場合の健康保険に関する手続きや注意点について説明しています。

 

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・  このページで、「健康保険」と呼んでいるのは、全国健康保険協会(協会けんぽ)が運営する中小企業向けの健康保険制度のことです。

__sozai__/0012115.png 全国健康保険協会(協会けんぽ)ウェブサイト

 

・  会社員以外の自営業者などが加入する国民健康保険とは区別しています。 

国民健康保険制度含め、健康保険について給付内容などの更に詳しい情報をご覧になりたい方は、下記厚生労働省のホームページもご覧ください。

__sozai__/0012115.png 我が国の医療保険制度について

 

ご覧になりたい項目をクリックしてください。

1

健康保険(協会けんぽ・旧政府管掌健康保険)に加入しなければならない使用者(事業主)とは?

2

健康保険に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?

使用者(事業主)も健康保険に入れる?

 

4

!.gif 外国人労働者が健康保険に入るメリットは何か?

海外に住んでいる族を被扶養家族として医療費などの給付を受けることができます。

健康保険の保険料はいくら?

!.gif 健康保険料のシュミレーション

6 

社会保険加入が外国人労働者の就労ビザ更新の条件になるのか?

!.gif2010年4月から就労ビザ更新時に健康保険証の提示が原則義務付けられました。

 

 


b.gif  健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?


政府(2008年10月に__sozai__/0012115.png 全国健康保険協会=協会けんぽに移管)が運営する健康保険については、基本的に、法人事業所であれば、業種・人数に関係なく加入しなければならず、このような自動的に健康保険への加入が適用される事業所を強制適用事業所といいます。

 

例えば、一人会社と言われる、取締役1名で会社を設立している会社でも法人設立と同時に本当は必ず健康・厚生年金保険(両方セットで加入します。)に加入しなければいけません。(強制適用事業所)

 

次に、法人化されていない、個人営業の事業所の場合は雇用する人数や行う事業の種類によって、● 必ず加入しなければならないか(=強制適用事業所)、又は、● 加入が任意(事業所の希望で加入することもできる=任意適用事業所)なのか、二つに分かれます。

 

1.強制適用事業所/法定16業種  

必ず加入しなければなりません。

下記の業種(個人営業)で、常時5人以上の従業員を使用する事業所

・製造業 ・土木建築業 ・鉱業 ・電気ガス事業 ・運送業 ・清掃業 ・物品販売業 ・金融保険業 ・保管賃貸業 ・媒介周旋業 ・集金案内広告業 ・教育研究調査業 ・医療保健業 ・通信報道業など                         

 

2.任意適用事業所

使用者と従業員が希望し、管轄の社会保険事務所に届け出・承認を受けることによって加入できる事業所です。(法律上、絶対に加入しなければならない事業所ではありません。) 

 

  • 1. の事業であって、常時5人未満の従業員を使用する個人経営の事業所
  • 第一次産業(農林・水産・畜産業)、接客業(旅館・料理店・飲食店・理容業など)、法務業(弁護士・税理士・公認会計士など)、宗教業(神社・寺院・協会など) ※ 従業員数に関係なし

 

なお、外国人が経営する事業であっても例外はなく、上記の規定が同様に適用されます。

 

 


b.gif 健康保険に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?


前項の、「健康保険に加入しなければならない事業主=強制適用事業所」に雇用される労働者は、国籍・性別・年齢などに関係なく、次の「適用除外」に該当する場合(=加入させなくてもよい労働者)を除いて全て「被保険者」(=加入させなければならない労働者)となります。

外国人労働者の場合であっても、健康保険の適用事業所に雇用される従業員が、日本人労働者と全く同様の雇用条件で働いてるのであれば当然に、健康保険(+厚生年金保険)に加入させなければならない労働者となります。

では、先ず、健康保険に加入させなくてもよい「適用除外者」とはどのような人たちのことなのかみていきましょう。

 

■ 「適用除外」に該当する場合(=加入させられない労働者)

@ 船員保険の被保険者 

A 所在地が一定しない事業所に使用される人 

B 国民健康保険組合の事業所に使用される人

C 厚生労働大臣、健康保険組合または共済組合の承認を受けて一定期間、国民健康保険の被保険者になった人

D 長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の被保険者等

E 季節的業務に使用される人(継続して4か月を超えて使用される場合を除く。)

F 臨時に使用される者であって、次の要件に該当する人

 イ)日々雇い入れられる者

 ロ)2か月以内の期間を定めて雇い入れられる者

G 臨時的事業の事業所に使用される人(継続して6か月を超えて使用されるべき場合を除く。)

__sozai__/0011753.jpg E、F、Gについては日雇特例被保険者として加入する場合は適用除外にはなりません。

その他、運用面では下記のような条件の下で働く労働者についても健康(厚生年金)保険には加入させなくてもよいことになっています。

 

■ その他、「健康保険に加入させなくてもよい労働者」

従業員(被保険者数)が500名を超えない事業所の場合

  • パートタイマーなどとして働く労働者の場合で、1日の労働時間・または1ヵ月の労働時間が、その会社で働く正社員と比較して、(正社員の)1日または1週間の労働労働時間の4分の3以下であると同時に、(正社員の)1ヵ月の労働時間の4分の3以下であること。
  • 社会保障協定締結国出身者で、出身国の健康保険制度に加入している外国人労働者

 

なお、従業員数(被保険者数)が501名以上の事業所の場合は上記の条件に該当する従業員に加えて、下記の要件を全て満たす場合は健康保険と厚生年金保険に加入させなくてもよいことになっています。(下記の要件を全て上回る場合は加入させなければいけません。)

 

@ 1週間あたりの決まった労働時間が20時間を超えていない事
A 1か月あたりの決まった賃金が88,000円を超えていない事
B  雇用期間の見込が1年を超えない事
C  夜間・通信・定時制「以外」の学生であること。

また、従業員数が500名を超えない事業所の場合であっても、社会保険に加入することについて労使間で合意がされている事業所については、上記4点の要件を(全て)上回る従業員を適用除外にすることはできません。(2017年4月以降) 

外国人労働者によっては、「健康保険だけは入りたいけれど掛け捨てになる厚生年金には入りたくない。」と加入を渋る方も多々いらっしゃいます。
しかし、健康保険と厚生年金保険はセット加入(両方同時に加入手続きを行います。)が原則であり、「こっちの保険は入りたいけど、そっちには入りたくない。」という風に自由に自分たちの都合で選択することはできません。(※ 社会保障協定の該当者を除く。)

加入を渋る外国人がいる場合、会社側から健康保険に加入するメリットを、また厚生年金の場合は掛け捨て防止のための脱退一時金制度(厚生年金保険編に記載)」について説明し、皆さんに納得してもらうしかないでしょう。   

 

 


b.gif 使用者(事業主)も健康保険に入れる?


法人の代表取締役や、強制適用事業所に当てはまる個人事業主(icon.mini.gif健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?をご確認ください。)は、健康・厚生年金保険に加入できます。(被保険者となることができます。)

もちろん、代表取締役や(強制適用事業所・任意適用事業所の)個人事業主が外国人であっても、それは同じ扱いとなります。

ただし、強制適用事業所・任意適用事業所以外の個人事業主に関しては、健康保険・厚生年金保険、ともに被保険者とはなりません。

 

 


b.gif  外国人労働者が健康保険に入るメリットは何か?

海外に住む家族を被扶養家族にして、家族の医療費をカバーできるか? 


外国人労働者が健康保険に加入するメリットはもちろん、労働者本人のケガや病気に対する備えとということがありますが、それ以外の大きなメリットとして、要件に当てはまれば海外に住んでいる外国人労働者の親族を日本で加入する健康保険に被扶養家族としてカバーすることができるという事があります。

たとえば、日本で働いている外国人の家族が協会けんぽや健康保険組合によって「被扶養家族」と認定された場合、外国人本人の被扶養者として彼らを日本の健康保険でカバーして被扶養者に対する様々な給付を受けることができるのです。
「被扶養家族」として認定される主な親族としては、・ 配偶者(事実婚含む・年収130万円未満)・ 子供・親(60才以上の場合は年収180万円未満)弟妹(年収130万円未満)などがありますが、それぞれ他にも細かい収入額の要件があり、その要件に該当しなくては認めらません。

!.gif 健康保険・被扶養者とは?(協会けんぽウェブサイト)

 

なお、被扶養配偶者の条件は外国人労働者が加入している健康保険が、このページで説明している協会けんぽの健康保険ではなく企業が個別に加入する、各健康保険組合が管掌する健康保険の場合は(協会けんぽ管掌の)健康保険とは要件が異なる場合があるので注意してください。

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外国人社員の外国人被扶養者に関するお問い合わせについては申し訳ございませんが当事務所ではお答えできません。恐れ入りますがそれぞれ下記の担当窓口で直接お尋ねください。

・ 企業に勤務されている外国人社員の方
__sozai__/0012122.gif 勤務先の人事担当者へ

・ 企業の人事担当者の方

__sozai__/0012122.gif 顧問社労士または加入している健康保険(協会けんぽ又は健康保険組合)窓口へ 

 


また、外国人労働者の場合、被扶養者となる家族の状況を公的に証明する書類を取り寄せ、日本語に翻訳して提出するなど多少のコストと労力はかかりますが、被扶養家族と認められれば海外にいる家族が支払った医療費などを日本の健康保険から給付してもらうことができる可能性があります。

ただし、海外の被扶養家族が自国で日本の健康保険証を提示して医療を受けることはできません。
いったん自費で全額医療費を立て替えてから、領収書を日本の外国人被保険者に送り、本人が本人(被扶養者)負担分を差し引いた額を日本円で払い戻してもらうシステムになっています。

また、海外で受けた治療内容が、日本の健康保険法等の規定で保険給付の対象として認められている治療内容と合致しない場合は給付を受けること(払い戻しを受けること)はできません。

尚、医療費だけではなく、本国に残してきた配偶者が出産する場合なども健康保険から出産一時金の給付を受けることができます。
また不幸にも日本で負傷し又は病気にかかって帰国した場合なども条件に合えば、帰国後にも傷病手当金などの所得保障を受けることが可能なので、このような様々なメリットを外国人社員に伝えて社会保険への加入に納得してもらうのもいいかもしれません。

 

 


b.gif  健康保険の保険料はいくら? 


健康保険の保険料は、雇用主(会社)と労働者が折半して支払います。

保険料率は、2017年6月現在、40才以下の労働者の場合で、給与額の平均である、「標準報酬月額」×9.91%40才以上の労働者(介護保険料率含む)の場合は11.56%となっています。(協会けんぽ/東京都限定・料率は都道府県ごとに異なります。)

 

計算方法として、まずは、労働者の賃金に支払う月額の賃金総額をもとに、__sozai__/0012115.png 標準報酬月額等級表(協会けんぽホームページ)から労働者の「標準報酬月額」(※ 月額給与額の平均のようなもの)を割り出します。

 


 健康保険料負担のシミュレーション (2017年6月現在)

例えば、 月総額30万円(内1万は交通費)の給与を支払われている労働者(39歳)の健康保険料は標準報酬月額等級表を見ると、第22級の標準報酬月額30万円に該当するので、29,730円となります。 (2017年6月現在・東京都の場合)

29,730円の内、半分の14,865円ずつをそれぞれ会社と労働者本人が負担することになりますが、この29,730円というのは40才未満の介護保険の被保険者でない労働者に対する保険料でです。

同額の給与を受け取る労働者が、40才以上で介護保険の第2号被保険者の場合は、健康保険料と介護保険料を合わせた保険料を支払うことになり、保険料総額は34,680円となります。(事業主と労働者それぞれ17,340円ずつ負担します。)

 
 

また、健康保険と厚生年金の保険料は1年ごとに改定されますので(健康保険は3月、厚生年金保険は9月)、毎月最新の標準報酬月額表を使用して保険料額を控除・納付することが重要です。

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・ 時々、保険料額が改定されていない古い標準報酬月額表をもとに、給与計算を行っている会社を見かけることがあります。十分お気をつけください。

・ 厚生年金保険の保険料率は、2017年9月に改訂される18.3%で固定される予定です。

 

なお、賞与(年度累計額573万円までが対象・2017年6月現在)についても、年3回以内の回数で支払われるものを対象とし、月額の健康保険料とは別に(賞与に対しても別途)上記保険料率を掛けて計算した健康保険料を納付しなければなりません。

__sozai__/0012115.png 標準報酬月額・標準賞与額とは?(協会けんぽウェブサイト)

 

 


 b.gif  社会保険加入が外国人労働者の就労ビザ更新の条件になるのか?


2009年3月に発表された、「在留資格の変更・在留期間の更新許可のガイドライン(2010年3月再改正・法務省・入国管理局)」によると、2010年4月以降、外国人労働者が就労ビザ申請を行う際、入国管理局の窓口において、健康保険証を提示することが義務付けられました。

これによって、事実上、外国人労働者の就労ビザの変更や更新の不可の審査基準の一つとして、社会保険に加入していることが加えられることになりました。

__sozai__/0012115.png 2010年3月発表のガイドライン/入国管理局 

 

ガイドラインでは、健康保険・厚生年金・国民健康保険・国民年金に加入していない企業・労働者が、就労ビザの変更・更新の際に健康保険証を提示できない場合、その事だけをもって申請を不許可にすることはしないと明示しています。

ただし、明らかに社会保険(企業の健康保険・厚生年金)の強制適用事業所や、国民健康保険・国民年金の加入対象者でありながら、特別な事情がなく不当に社会保険に加入していない雇用主・外国人本人が、変更や更新申請を行った場合、社会保険未加入を理由の一つとして申請が不許可になる可能性がないとはいえません。十分注意してください。

また、当ガイドラインの改正では、他に下記のような審査基準項目も追加されています。外国人労働者を雇用する企業にとって重要な留意点になります。ご確認ください。

 

 

__sozai__/0022642.png 就労ビザ更新に関して改正(追加)された主な審査基準 

 __sozai__/0011838.png 雇用・労働条件が適正であること

【入国管理局】
我が国で就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が労働関係法規に適合していることが必要です。なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常、申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して許否を決定します。

  __sozai__/0011839.png 納税義務を履行していること

【入国管理局】 
納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。なお、刑を受けていなくても、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も悪質なものについては同様に取り扱います。

参考

__sozai__/0012115.png 在留資格の変更・在留期間更新のガイドライン(2010年3月改正) 入国管理局

 

 

 

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