上野オフィス・新宿オフィス・名古屋オフィス・大阪オフィス
営業時間:9:00~20:00
土・日・祝も営業
このページでは、就労ビザ取得手続についてわかりやすくQ&A方式で説明しています。
→就労ビザ申請に関する、その他の記事は下記リンクをクリックしてご覧ください。
■ 就労ビザ取得関連Q&A集④
お探しの情報がない場合は、上記リンク先より他のQ&A集もご覧ください。
・ ご覧になりたい項目をクリックしてください。随時、更新・追加の予定です。
・ 公開(更新・訂正)年月は各設問の冒頭でご確認ください。
【Q21】
新卒で今春、日本の大学を卒業した外国人を雇用することになりました。本人が現在持っている在留資格「留学」から就労ビザへ変更しなければならないのですが、その変更手続きを留学生本人にすべて任せてしまっても大丈夫でしょうか?
就労ビザへの変更申請手続きについて、当社として、どの程度まで関わればいいのか教えてください。
【A】
外国人留学生が持っている在留資格「留学」を、日本で就職するために必要な就労系の在留資格に変更するためには、留学生の住所地を管轄する出入国在留管理局に対して、
在留資格変更許可申請
を行わなければなりません。
この申請を行うのは、
入管法上は、あくまでも外国人本人
ということになっていて、申請用紙に申請人として署名をするのも外国人本人です。
しかし、実際に外国人である本人だけで、出入国在留管理局が要求するたくさんの書類を全て理解し、
不備なく準備した上で申請し、その後の許可(就労ビザの取得)をスムーズに得られるかといえば難しいのではないでしょうか。
たとえば、以下は在留資格変更許可申請を行う場合に必ず必要な申請書類です。
まず、これらは外国人本人に関連する書類ですので、収集および作成することはそう難しいことではないでしょう。
以下は一般的な提出書類です。個々のケースによって、他に必要な書類が追加される場合があります。
■ 外国人本人が用意する書類の一例
* 以下提出書類は雇用主のカテゴリーごとに増減します。
一方、雇用する会社が提出する書類としては、最低限必要なものとして以下のものが挙げられます。
■ 雇用する会社側が用意する書類の一例
【Q22】
当社は、社長である私と妻の2人、他にパート社員1名から成る小規模IT企業です。資本金は300万円、昨年度末の売上は1千万円弱でした。
今回、業績拡大のために、中国進出を考えていて、そのためにどうしても必要な中国人社員の採用を希望しています。この社員を採用することで、来年度の売上は現在の2倍以上に増えることが予想され、どうしてもこの外国人の採用を成功させたいと考えていますが、当社のような企業規模の小さい会社がスポンサーとなり、外国人社員の就労ビザを申請して、許可される可能性はあるのでしょうか。
【A】
結論から言いますと、少し難しい申請となるでしょうが、全く不可能という訳ではありません。
出入国在留管理局が行う就労ビザの審査では、外国人本人に求められる要件(入社後に従事する職務内容に関連した学士号などの学歴または一定期間以上の職務経験など)と同時に、受け入れる企業に対しても、その【事業の適正性、安定性、継続性】が審査対象となります。
出入国在留管理局が、外国人を雇用しようとする企業の【事業の適正性・安定性・継続性】を審査する上で、判断基準にするのは以下のようなポイントです。
つまり、以下のように考えればわかりやすいかもしれません。
これらのポイントに関し、審査官を納得させることができれば、御社のような小規模企業であっても、就労ビザの許可を取得することは不可能ではありません。
では、このケースのような、【事業の安定性・継続性】に懸念を持たれる可能性のある小規模企業の場合、就労ビザの申請書類を作成する際にどのような工夫をすればいいのかということですが、以下にいくつか具体的なポイントを挙げておきます。
■ 来年度の売上見込額が今年度よりも上回るのであれば、本年度分と併せて来年度の決算見込も提出する。
就労ビザの申請時に提出が求められる提出書類の一つに「直近年度の決算書 」があります。(注: 企業カテゴリー3・4の事業所の場合)
企業カテゴリーとは?
■ カテゴリー2の事業所
■ カテゴリー3の事業所
■ カテゴリー4の事業所
海外から外国人を招へいするときの提出書類(企業カテゴリーごと)については以下、法務省のウェブサイトで確認してください。 ・ 在留資格認定証明書交付申請(技術・人文知識・国際業務)・提出書類 (法務省) |
設問のような小規模企業の場合、企業カテゴリーに関しては恐らくカテゴリー3・4に分類される事業所が多いと思いますので、直近年度分の決算書に加えて、来年度の売上見込みが既に立っていて、更にその数字が今年を上回るようであれば、来年度分の売上見込みの決算数字も追加して提出することをお勧めします。
もちろん、ただ単に、「来年度は●●万円の売り上げ増加を見込んでいます。」という記載だけでは、入管局に納得してもらうのは難しいでしょう。
ですので、●●万円の売り上げが会社のどの事業から、どのような計画の下、見込めるのかということを証明するために、たとえば、売掛先との業務契約書のコピー(売上見込の数字が記載されたもの)や、第三者である公認会計士などの専門家が評価して作成した予想収益を数字で表した資料などがあれば、そういった出来るだけ具体的な立証資料を添付するといいかもしれません。
■ その外国人を雇用することによって、大きな売上を見込める事業があるのなら、その事業計画書を提出する。
今回のように、雇用する外国人を中心に据えて展開する、特定の事業を計画している場合は、その事業に関する事業計画書を提出しましょう。
銀行などに借入を行う際に提出するような詳細な事業計画書でなくともかまいませんが、客観的に見て信頼できる、ある程度まで具体的な数字を記載した事業計画書を提出します。
この場合も、顧問税理士や公認会計士などの税務・財務の専門家に評価・作成してもらったものであれば、より信頼性の高い立証資料となるはずです。
以上、本設問のように、企業規模が小さく売上額が大きくはないという不利な条件下での就労ビザ申請においては、それら不利な条件を覆す、できるだけ具体的な数字が記載された信頼性の高い決算見込み書や事業計画書を作り込み、提出できるかどうかが許可・不許可の分かれ目になります。
また、それら事業計画書などに加えて、以下の書類も提出します。
■ 会社が、その外国人を雇用する必要があることを「申請理由書」で説明する。
就労ビザの申請において、申請を行う理由について、雇用主の名前で作成して提出する雇用理由書は審査結果に影響を及ぼす重要な提出書類の一つです。「雇用理由書」には主に、
について記載します。
また、以上のポイントに加えて、
ということについても客観的に記載し、その外国人が持っている専門的な能力や技術(既存の日本人社員では代替できないこと)を証明することが重要です。
なお、このような雇用理由書を始め、事業計画書などを事業主が自ら作成する場合は、その外国人の就労ビザを取得したいという希望が強すぎるあまり、出入国在留管理局の審査官が見たときに、事業計画や売上見込みなどの点で客観性や具体性に欠ける資料にならないよう注意することが重要です。
できるだけ、客観的で信頼性のおける数字を提示し、加えてそれを補強する添付資料を提出することが、設問のような小規模企業様が就労ビザを取得する決め手になります。
【Q23】
当社は中国に本社がある外国法人です。今回、本国での事業拡大を目的に日本に駐在員事務所を設立することになりました。中国本社から駐在員事務所の代表者となる社員1名とその他赴任者を数名派遣したいと思っていますが、その場合の就労ビザはどのような流れで申請・取得すればいいのでしょうか。
【A】
外国法人が日本で駐在員事務所を開設するときの流れについては、就労ビザの申請も含めると大まかには以下のとおりです。
① 日本国内に事務所を設置する。【事務所を借りる】
② ①で設置した事務所の所在地を所管する出入国在留管理局で、親会社から派遣される外国人代表者と駐在員の「在留資格認定証明書(就労ビザ)」の申請を行う。
* 在留資格認定証明書の申請から結果が出るまでに通常1~3か月程度の時間がかかります。
③ ②で在留資格認定証明書が発行されたら、赴任者の母国にある日本大使館や領事館で査証を取得。その後、日本に入国し、駐在員事務所で活動(就労)を開始することが可能です。
④ 入国後、日本で居住地を定めて住民登録等(住所を定めて14日以内)の必要な手続き行う。
⑤ 銀行口座を開設する。
⑥ 業務開始
⑦ 駐在員が日本の社会保険に加入する場合は、所管の税務署や年金事務所、労働基準監督署、ハローワークへ必要な届出を行う。
* ②の在留資格認定証明書交付申請の際、駐在員事務所の場合は代表者も含め、派遣社員の在留資格(ビザの種類)は、企業内転勤(中国法人から日本に設置した駐在員事務所へ派遣されている)という在留資格で申請するのが一般的です(在留資格「経営・管理」の場合もある)。
在留資格と認定証明書交付申請については以下のページで確認してください。
なお、企業内転勤という在留資格で、外国人(本設問では日本駐在員事務所に派遣される中国人)の在留資格認定証明書の交付申請を行うときに必要な条件や、提出書類などのポイントもみておきましょう。
■ 在留資格「企業内転勤」の外国人に対する許可基準は?
■ 在留資格「企業内転勤」で在留資格認定証明書を申請するために必要な立証資料は?(外国にある本社の各種証明書類など)
なお、上記の在留資格認定証明書交付を申請(申請書類を出入国在留管理局へ提出)してから、結果が出るまでには通常1か月〜3か月程度かかります。
* 事案によっては3ヶ月以上かかることもあります。
ちなみに、法人登記が必要ない日本駐在員事務所の場合、日本国内での事務所設置を証明できる資料として、事務所の賃貸借契約書の写しや所得税の給与支払事務所の開設届、社会保険の資格取得に関する届出などの写しも、在留資格認定証明書(ビザ)申請には重要な立証資料になるので、必要に応じて、これらの資料も提出します。
このように、日本駐在員事務所の在留資格認定証明書申請手続きについては、上述のような駐在員事務所の実態を証明する日本の公的機関で発行された立証書類の提出が必要になるため、基本的に駐在員事務所の設置(事務所を賃貸し、必要な税務・保険関係の手続きを行うこと)前に、在留資格認定証明書の申請を行うことはできません。
【Q24】
当社は香港法人の出資で設立された日本子会社です。設立手続の便宜上、日本子会社の代表者個人の100%の出資ということで登記されているため登記上では親会社の存在を証明できません。
今回、親会社から「企業内転勤」の在留資格で外国人転勤者を呼び寄せるため、出入国在留管理局に、在留資格認定証明書(海外から外国人を招へいするビザ)の申請を行いました。
しかし、上述のような理由により、適正な立証資料を提出できず「親会社と子会社の関係であると認められない」という理由で許可がされませんでした。
再度申請したいのですが、今回問題になった、親会社と日本子会社の関係を証明するためにはどのようにすればいいでしょうか。
【A】
企業内転勤ビザが認められる、日本国内の事業所と海外の事業所の関係は、日本国内の事業所と派遣元である海外の事業所が、「本店・支店・営業所」関係であること、また、「親会社間と子会社間」、「親会社と孫会社間」、「子会社と孫会社間」、「系列会社間」等があります(出入国管理及び難民認定法別表第一)。
海外の親会社や子会社・系列会社からの外国人出向者を、在留資格「企業内転勤」で招へいするためには、御社と外の親会社等との関係を証明する必要がありますが、今回のように、外国法人が親会社として出資をしているにも関わらず、便宜上、日本法人の代表者等が100%出資する形で日本法人を設立登記している場合など、日本法人の登記簿上には親会社である海外法人の名前が一切表示されず、親会社との関係を証明するのが難しい場合もあります。
そのような場合は、親会社等が御社に運転資金として相当額の資金を海外送金している銀行関連の証明書類を提出するなどが考えられますが、それにしても、そのように限定された書類だけでは立証に苦労することもあります。
したがって、もし可能であれば、御社と親会社等との間で、正式に(日本法に則った)株式譲渡契約を取り交わし、名実共に親子・関連・系列会社として出資関係を成立させた後に、出入国在留管理局が認定可能な各種立証資料(株式譲渡契約書など)を添付の上、再申請を行えば、企業内転勤の在留資格認定証明書が許可される可能性があります。
「親会社」、「子会社」、「関連会社」の定義は以下のリンクで確認してください。
・ 財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則第8条 (定義)
(電子政府の総合窓口・e-Gov)
ちなみに、株式譲渡を行った上で、企業内転勤ビザの申請を行う場合、提出する立証書類の例として、通常の日本支社の登記簿謄本や決算書に加えて以下のような書類が考えられます。
また、以上のような株式譲渡の方法もとれず、どうしても親子・系列会社関係を証明できない場合で、海外の関係会社から外国人社員を派遣してもらうためには、日本の受入会社と外国人が直接雇用契約書を結んで、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で、在留資格認定証明書交付申請を行い、日本に呼び寄せることも考えられます。
しかし、その場合は「企業内転勤」ビザと異なり、呼び寄せる外国人の学歴(派遣後に従事するする職務内容に関連する分野を専攻した大卒資格など)や職歴(従事する職務内容に関連する10年または3年の職歴など)について条件が課されます。
また、一部のアジア諸国については、大卒者が少ないため、このような方法も不可能な場合が多く、そうした国の関係会社に勤務するベテランの外国人実務経験者がどうしても必要な場合はやはり、なんとか関係会社との関係をしっかりと証明し、「企業内転勤」ビザの許可を得るしかありません。
企業内転勤ビザについては、「大卒資格や関連する実務経験10年等・3年」などの条件はありませんが、海外の派遣元事業所における、(直近で継続する)在籍期間が1年以上あることが条件となっています。
在留資格「企業内転勤」については、転勤者に関する条件や必要な提出資料など、下記のQ&A集でも詳しく解説しています。
【Q25】
インド料理のレストランを経営しています。今回、インドより調理師を呼び寄せて当店で働いてもらおうと、「技能」の在留資格認定証明書交付申請を行ったところ、提出したインドのレストランでの在職証明書に問題があるとして申請が不交付処分となり、招へいのための就労ビザが許可されず、日本に呼び寄せることができませんでした。このような場合、この方の招へいは諦めるしかないのでしょうか。
【A】
外国料理の調理師など、特別な技能を有すると認められる外国人に与えられる在留資格(ビザ)である、「技能」(外国料理の調理師以外にも、建築・土木技術者、宝石・毛皮加工技術者、動物の調教師、パイロットやスポーツ指導者、ソムリエ等が該当)の取得要件を満たすためには、それぞれの職業ごとに定められた実務経験とそれを証明する立証資料が必要です。
本設問のように、インド料理店のコックさんを日本に呼び寄せて働いてもらうには、出入国在留管理局に対して行う在留資格認定証明書交付申請時に、この方が過去「10年間」、インド料理の調理師として働いていたことを証明する在籍証明書/Certificate of Employmentを提出しなければなりません。
この在籍証明書は、外国人が実際に働いていたお店や会社の責任者(オーナーや人事担当責任者)が作成し、署名をしたものを提出しますが、書面中には外国人本人の氏名・生年月日、また証明書を発行する会社や店の所在地・電話番号などの連絡先といった基本的な項目の他に、以下の項目を必ず記載してもらいます。
出入国在留管理局では、これらの記載情報をもとに、貴店が招へいする外国人に就労ビザ(在留資格認定証明書)を許可する職務経験があるかどうか審査します(外国料理の場合は通算10年の実務経験が必要。「技能」に該当する他の職種については実務経験の年数など個別に要件あり)。
なお、この審査では書面上の調査だけではなく、実際に証明書を発行した会社やお店に直接連絡をとって確認作業も行われています。
設問のケースでは、出入国在留管理局で、在留資格認定証明書(就労ビザ)不交付理由の調査(直接、出入国在留管理局の窓口で、在留資格認定証明書が許可されなかった理由を確認すること)を行ったところ、出入国在留管理局が提出された在籍証明書をもとに現地に直接確認をした際に、証明書に記載された内容の在籍確認がとれなかったため、申請を却下し、許可を出さなかったいう回答を得ました。
具体的には、調査を受けた在籍証明書を発行した前職の勤務先が、申請者である外国人が在職していたという事実を否定したそうです。
外国人調理師として、在留資格「技能」を取得するためには、外国料理の調理師経験が10年以上必要であることは入管法上、明記されている絶対条件です。
この職務経験を出入国在留管理局の調査で認定してもらえなかったということは、在留資格を取得する条件が整っていないということになりますので、残念ながら貴店で、その方を調理師として呼び寄せて働いてもらうことはできません。
したがって、この方の実務経験が10年になった時点で再度、在留資格認定証明交付申請を行うか(確実に在職証明を取得できることが条件)、または職務経験に関する要件を確実に満たしている別の候補者を探すしかないでしょう。
余談ですが、今回のように「技能」での申請以外の在留資格(就労ビザ)でも、在籍証明書によって実務経験を証明しなければならない場合があります。
前出のような要件を満たした在籍証明書を問題なく提出できる場合はいいのですが、外国人ご本人がそうした過不足のない在籍証明書をお持ちでない場合も多々あります。
そのような場合は、以前勤務していた会社や店に依頼して在籍証明書を発行してもらうことになりますが、それら前職の勤務先がすでに廃業してしまっているようなことも珍しくないでしょう。そうした場合は在籍証明書を取り寄せることができません。
そのようなケースでは、社会保障システムが整備された国の出身者であれば厚生年金や雇用保険の加入履歴など在籍証明書の代わりになる書類を提出を提出したり、一方、公的な代替証明書類が存在しない国の出身者であれば、会社から給与が振り込まれていた預金通帳のコピーなどを代わりに提出することも考えられます。
ただし、社会保障加入履歴などの公的な証明書を提出できたとしても、その書面中に正確な在籍期間や担当していた職種など立証が必要不可欠な証明事項が不足している場合、就労ビザの申請は許可されない可能性があるので注意してください。
021年4月更新
【Q26】
在留資格変更申請(在留期間更新許可申請を含む)が不許可になってしまいました。帰国しなければなりませんが在留期間が切れるまでに数日しかありません。帰国準備をするために在留期限を伸ばしてもらうことはできますか。
【A】
在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請を行って、残念ながら申請が不許可(就労ビザが許可または更新されず、今後日本に在留することができないということ)になってしまうことがあります。
このような場合、出入国在留管理局から通知された不許可理由にもよりますが、申請内容を修正したり、立証書類を追加するなどして本来の在留期限が切れるまでに、再申請を行うことも考えられます。
一方、不許可理由によっては、再申請をしても許可がおりる可能性が低いなどの事情で、外国人本人・雇用主である会社も、それ以上の在留・雇用を諦めて帰国を考える場合もあるでしょう。
そうした場合で、帰国準備のために一定期間、在留期限を伸ばしてもらいたいときには以下、2つの方法があります。
■ 不許可が決定されてから、本来の在留期限が切れるまでに数日しかない場合
外国人本人が管轄の直接出入国在留管理局を訪問し、パスポートや在留カードと一緒に、・申請内容変更申出書(在留資格変更許可申請あるいは在留期間更新許可申請を撤回し、出国準備のための短期滞在ビザに変更申請するという申出書)と、・短期滞在への在留資格変更許可申請書を4,000円の印紙税と共に納めれば、出入国在留管理局では通常、「出国準備のための短期滞在」ビザ(通常30日)を許可してもらえます。
■ 不許可が決定された時点で既に本来の在留期限が切れている場合
在留期間更新許可申請については、現存の在留期間満了日までに更新申請をすればよいことになっています。したがって、在留期間満了日が迫った上で更新申請を行った場合は、審査が終了し不許可が決定された時点では既に本来の在留期限が切れている場合があります(それ自体は違法ではありません)。
そのような場合も実務上、前述の「出国準備のための短期滞在」申請と同様に、出入国在留管理局に申請すれば、「出国準備のための特定活動」という短期の在留資格(ビザ)を許可してもらえることが殆どです(日常的な残務整理を処理するのに適当な期間を出入国在留管理局が適宜決定)。
出国準備に、一定期間の時間を要する場合は必ず申請して許可を得ておきましょう。
なお、いずれにしろ、在留資格変更許可/在留期間更新許可申請が不許可になり、いったん帰国した場合は、帰国後、不許可理由の修正を行って、再度スポンサーとなる企業が海外から日本に呼び寄せる「在留資格認定証明書交付申請」を行うしか、再び就労ビザを取得する方法はありません。
このように、一度不許可になった申請を一転して覆すのは、通常の申請に比べてとても難しく、あくまでも不許可理由にもよりますが同じ申請内容で許可を得ることは不可能である場合も少なくありません。
したがって、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請は、できるだけ早め早めに行い(直前の在留期間満了日の約3か月前から行うことが可能です。)、仮に結果が不許可となってしまった場合は、本来の在留期限が切れるまでに再申請を行うことができる時間的な余裕を残しておくことが重要です。
なお、申請が不許可になった場合、先ず一番に行うことは、出入国管理局を訪問し不許可理由を確認することです。
不許可理由は、申請を行った外国人や雇用主が出入国在留管理局に出向いて直接審査官に確認することができます。
ただし、この確認については、日本語があまり得意でない場合は特に外国人本人一人で行って行うのではなく、入管事務に知識をお持ちの人事担当者や会社の代表者、その変更・更新申請を取次いだ行政書士等が同伴し、入国審査官の回答を正確に理解して帰ってくることが最も大切なポイントです。
どうして申請が不許可だったのか。申請内容を修正することによって再度申請をして許可される可能性があるのか、ないのか。ある場合、どのような修正を行う必要があるのか。
これらのポイントを正確に理解して、再申請を行うか、行う場合はどのような書類を追加提出するかについて、一定の決定権をお持ちの会社関係者の同席が、今後の対応を決定するために最も重要だと言えます。
【Q27】
在留資格「技術・人文知識・国際業務」 を保持して日本で働く外国人です。会社の業績不振により先日、勤務していた会社から解雇されました。現在持っているビザの在留期限まで、残り2年ほどあります。日本に残る予定で現在求職活動中ですが仕事はまだ見つかっていません。失業中も現在のビザで日本に在留し続けることは可能でしょうか。
【A】
2008年の金融危機を機に、法務省は外国人労働者の失業に対応するため、就労ビザを保持している労働者が勤務先の都合(業績悪化や倒産など)による失業(退職勧奨や解雇)または、自宅待機を命じられた場合の措置として、2009年に以下のような対策を発表し、2021年現在も継続して同様の対応をしています。
外国人労働者が勤務先の急激な業績悪化や倒産が理由で、解雇された、あるいは【※】「退職勧奨」に従って退職した場合、または有期雇用契約社員が【※】雇い止めに遭い失業した場合
【※】 「退職勧奨による退職」とは?
解雇ではないけれども、会社都合により自主退職を勧められたことにより自らの意思で退職を申し出ること。転職などを希望する場合の自己都合による退職とは異なります。会社が「会社都合による退職」として退職証明書・雇用保険の離職証明書(離職票)を発行する退職理由です。
【※】「契約社員の雇い止め」とは?
6か月や1年などの期間を決めて雇用契約を結び、働いていた社員が直前の雇用期間の満了後、次回の契約を更新してもらうことができず雇用期間満了時点で失職・失業することをいいます。
以上、ご質問については上記の通り、まずは現在お持ちの「技術・人文知識・国際業務」の在留期間2年間はそのまま有効ですので、その間に求職活動を行いながら日本に滞在することは可能です。
また、就職活動中の生活費をまかなうために、週28時間以内でアルバイトをすることもできますが、その場合、必ず事前に出入国在留管理局に資格外活動を申請して許可を得ることが必要です。
また、もしも2年以内にどうしても新しい仕事が見つからない場合で引き続き求職活動を行っている場合、在留期間が満了する前に出入国在留管理局に「短期滞在」ビザへの在留資格変更許可申請を行えば、「90日」のビザがおりる可能性があります。
その場合、「家族滞在」を所持されているご家族と一緒に在留しているのであれば、必ずご家族の在留資格変更許可申請(「家族滞在」から「短期滞在」)も行ってください。
ただし、この特例措置については雇用している会社の倒産や業績悪化に伴う、やむを得ない人員削減によって行われた解雇や退職勧奨・雇い止めに遭った外国人が対象とされています。
それ以外の自己都合退職はもちろん、外国人本人の能力不足・勤務成績や態度を理由とした解雇や退職勧奨・雇い止めに関しては基本的に、上述のような措置(資格外活動許可の付与など)が認められる可能性は低いので、ご注意ください。上述の特例措置の対象になるかどうか、ご自身で判断できない場合は、管轄の出入国在留管理局に相談してください。
受付時間 | 9:00~20:00 |
---|
定休日 | (土・日・祝も営業) |
---|
ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
就労ビザ申請手続を中心に雇用契約書・就業規則の英文翻訳など外国人社員の雇用相談・手続をトータルサポートいたします。
ご注意下さい
初めての外国人雇用◆就労ビザ取得編
初めての外国人雇用◆労務管理編