初めての外国人雇用◆就労ビザについての困りごと・Q&A集A

 

就労ビザ.jpg

 

このページでは、就労ビザ取得手続についてわかりやすくQ&A方式で説明しています。

 

icon.mini.gif  就労ビザ申請に関する、その他の記事は下記リンクをクリックしてご覧ください。

paper!.gif 1ページでわかる、外国人採用の流れ (2020年1月更新)

 

 


■ 就労ビザ取得関連Q&A集A

お探しの情報がない場合は、上記リンク先より他のQ&A集もご覧ください。

 

・ ご覧になりたい項目をクリックしてください。随時、更新・追加の予定です。
・ 公開(更新・訂正)年月は各設問の冒頭でご確認ください。

 

 

              質問内容

Q8

家族滞在からの資格格変更

今度米国支社から呼び寄せる当社の社員が妻子を伴い来日する予定です。妻子に関してはどのような在留資格で申請をすればよいのでしょうか。また、妻が本国でも金融アナリストとして十分なキャリアを持っているため、日本に入国後すぐに日本の会社で働きたいと希望しています。この場合「家族滞在」の資格ですぐに日本で働き始めることは可能ですか? 

 Q9 外国人調理師の就労ビザ取得

新規開店して3ヶ月のイタリアンレストランを経営しています。シェフをイタリアから1名呼び寄せて働いてもらいたいのですが開店してまだ3ヶ月しか経っていない上、店は法人化もしていません。このような状況でもイタリア人シェフの就労ビザはとれるのでしょうか。

Q10

人文知識国際業務から永住への変更

来日して今年で10年になるインド人です。最初の6年間は日本語学校と大学に通い、現在の会社に就職して4年が経ちます(現在の在留資格は「人文知識・国際業務」)。日本での生活も安定してきたので日本で起業したいと考えています。 日本での滞在期間が10年あれば「永住者」の在留資格に変更できるときいたので、今後の活動に制限がない永住申請をしたいと思うのですが可能でしょうか。

Q11

専門学校卒業者の人文知識国際用務ビザ取得

国内の貿易会社です。中国の取引先を担当する貿易事務スタッフとして日本の専門学校で国際ビジネス学科(貿易実務専攻)を卒業した中国人を雇用したいと思っていますが、彼は専門学校を卒業後、就職活動がうまくいかなかったため、一度中国に帰国しており現在は中国にいます。就労ビザを取得して日本に呼び寄せることは可能でしょうか。また、日本の専門学校卒業生が就労ビザを取得できる条件も教えてください。

Q12

ワーキングホリデー・ビザから就労ビザ取得

語学スクールを経営しています。日本にワーキング・ホリデーで滞在し、当スクールでアルバイト中のカナダ人を正式に英会話講師として雇用したいと思いますが、ビザの変更など、どのような手続きが必要なのか教えてください。

Q13

就労ビザ取得に必要な給与の額

外国人エンジニアを初めて雇用します。給与額をどの程度に設定すればビザがおりるのか教えてください。また、当社には同内容の職務を行う日本人エンジニアも在籍しているのですが日本人と外国人で給与額の格差があっても大丈夫でしょうか。

 

   


sample.gif 2021年4月更新

【Q8】
今度米国支社から呼び寄せる当社の社員が妻子を伴い来日する予定です。妻子に関してはどのような在留資格で申請をすればよいのでしょうか。
また、妻が本国でも金融アナリストとして十分なキャリアを持っているため、日本に入国後すぐに日本の会社で働きたいと希望しています。この場合、「家族滞在」の資格ですぐに日本で働き始めることは可能ですか?

 
【A】
まず、御社のアメリカ支社から呼び寄せる米国人社員に関しては、在留資格(就労ビザ)「企業内転勤」で申請されるとのことですので、転勤予定の社員が同伴する妻子に関しては在留資格「家族滞在」を転勤者と同時に在留資格認定証明書を申請します。
諸条件に問題なければ、こちらの申請についても転勤者と同時期に問題なく許可がされると思います(家族滞在ビザの取得)。

icon.mini.gif 在留資格の種類については、就労ビザの基礎知識のページでご確認下さい。

ただ、奥様が希望している日本での就労については、「家族滞在」という在留資格では原則行うことができません。

ですが、奥様が来日後に自身の住所地を管轄する出入国在留管理局に対して資格外活動許可を申請し許可を受けた場合は、以下のような労働時間や業種・職種の制限付きではありますが、一定の就労活動が可能になります。
__sozai__/0011753.jpg 「資格外活動許可申請」の詳細については、以下、法務省のウェブサイトをご覧ください。

__sozai__/0012115.png 資格外活動許可申請 (法務省)

■ 一週間の内28時間以内の就労に限る
■ 公序良俗に反しない範囲内の就労に限る

※  風俗営業関係の業種または職種における就労は許可されませんが、飲食店などでの接客業を含む単純労働現場での就労は可能です。

なお、金融アナリストという高度な専門業務を行う場合、上述の短時間就業しか認められない資格外活動許可の下で働くことは難しいかもしれません。
だからといって、
日本に入国される前に、奥様自身が就労時間に制限のないフルタイム就労が可能な在留資格(例:この場合は「人文知識・国際業務」)を取得する...というのはあまりお勧めしません。

なぜかと言うと、奥様が「技術・人文知識・国際業務」のようなフルタイム就労が可能な在留資格を取得するためには、日本入国前にスポンサーとなる(日本の)就職先を探して申請を行い、在留資格認定証明書を取得しなければなりません(就労ビザの取得)。

ちなみに、このような就労ビザ(在留資格)の申請時には奥様本人に加え、受け入れ側(雇用元)である日本企業についても、業務内容・経済的な観点からの事業の継続性などが併せて審査されます。
このため、必ずしもスムーズに在留資格認定証明書が許可されるとは限りません。

したがって、まずは、ご主人(転勤者)の就労ビザ(企業内転勤)に付帯する「家族滞在」を申請・取得し、スムーズに家族揃って来日、その後、国内でしっかりとした就職先を探し、採用確定後に「技術・人文知識・国際業務」などフルタイムの勤務が可能な在留資格に変更するのがいいのではないかと思います。

そのようなケースでは、雇用元の了解の下、状況が許せば、入社予定の企業において、試用期間として資格外活動(週28時間以内)の勤務を行いながら本採用への道を探ることもできます。

!.gif  【 例外 】
配偶者の在留資格が、「高度専門職(1号)・(2号)」の場合

配偶者の在留資格が「高度専門職(1号)・(2号)」である場合は、就職を希望する配偶者の在留資格が「家族滞在」であっても、週28時間以内という就労制限に縛られることなく、「教育」や「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に該当する就労活動を行うことが可能です。

つまり、「高度専門職」という在留資格をもって在留する外国人の配偶者については、フルタイム就労が可能な在留資格を取得するために本来、本人に求められる学歴や職歴などの取得要件を満たしていない場合であっても、「家族滞在」のままで「技術・人文知識・国際業務」のような就労系の在留資格に該当する活動(フルタイム就労)を行うことができることになっています。 

一方、本事案のように、配偶者が「高度専門職(1号)、(2号)」以外の在留資格で、その配偶者の在留資格が「家族滞在」である場合、上述のフルタイムが可能な在留資格を取得するには「家族滞在」の配偶者本人が、入管法で規定されている、学歴・職歴などの取得要件を満たした上で、就職先の資料と共に在留資格変更許可申請を行い許可を得る必要があります。

以上、配偶者の就労を含めた、高度外国人材の特典の詳細については以下、法務省のウェブサイトをご覧ください。

__sozai__/0012115.png 高度外国人材・どのような優遇措置が受けられる? (法務省)

 

 


sample.gif 2021年4月更新

【Q9】
新規開店して3ヶ月のイタリアンレストランを経営しています。シェフをイタリアから1名呼び寄せて働いてもらいたいのですが開店して まだ3ヶ月しか経っていない上、店は法人化もしていません。このような状況でもイタリア人シェフの就労ビザはとれるのでしょうか。

  

【A】

一概に不可能とは断言しませんが少し難しいケースとなるでしょう。

開店して3ヶ月程度ということですから、審査をする出入国在留管理局としては貴店の今後の経営の継続性を一番に懸念するものと思われます。

ですので、その懸念を払拭する材料として、将来の予想売上高や営業利益を含んだ事業計画に関する詳細な数字(実現可能な現実的なもの)を説明・提出することが重要です。

以下の、海外から外国料理のシェフを呼び寄せる場合の就労ビザ申請(在留資格認定証明書交付申請/在留資格「技能」)に関して、入管庁が公開している提出書類のリストを見ると「新規開業の場合は事業計画を提出」とありますが、この事業計画は少なくとも今後2、3年分程度の詳細なものを提出するといいでしょう。

なお、呼び寄せるイタリア人のシェフについては、イタリア料理の調理師として10年以上の職務経験が必要になりますので、この点についても採用前に必ず本人に確認してください(10年以上の職務経験を証明する前職発行の在職証明書を提出します)。

※ タイ料理人(日泰経済協定の対象者の場合)は「5年以上」の職務経験が必要。


__sozai__/0012115.png
 在留資格認定証明書交付申請「技能1(調理師)」・提出書類 (法務省) 

また、貴店が法人か、そうでないかということだけで許可・不許可が決まるものではありませんが、法人の場合は資本金(お店が安定するまでの運転資金)があるという点で有利になることはあるでしょう。

 

 


sample.gif 2021年4月更新

【Q10】  

来日して今年で10年になるインド人です。最初の6年間は日本語学校と大学に通い、現在の会社に就職して4年が経ちます(現在の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」)。日本での生活も安定してきたので、日本で起業したいと考えています。 日本での滞在期間が10年あれば「永住者」の在留資格に変更できるときいたので、今後の活動に制限がない永住申請をしたいと思うのですが可能でしょうか。

  

【A】

一般的に「10年以上」日本に滞在していれば永住ビザがとれる...と理解されているケースが多いのですが、以下の法務省が公開しているガイドラインのとおり、在留資格「永住者」への在留資格変更許可を申請するためには、「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格をもって在留している外国人の場合、日本における(継続した)在留期間が合計10年以上(在留資格「高度専門職」の場合は1年あるいは3年以上)であることに加え、その在留資格(「技能実習」と「特定技能1号」は除く)に変更してから最低5年が経過していることが必要条件となります。

icon.mini.gif 在留資格の種類については、就労ビザの基礎知識のページでご確認下さい。
__sozai__/0012115.png 永住許可に関するガイドライン(法務省)

ですので、この方の場合、日本での長期の(中断がない継続した)在留期間が10年であっても、就労資格「技術・人文知識・国際業務」に変更してからまだ4年ということなので「永住者」ヘ在留資格変更を申請する要件を満たしていないということになります。

なお、この10年の在留期間の要件が緩和される一つの条件として、申請する外国人の日本社会への貢献という基準(以下ガイドライン)があるのですが、この「日本国への貢献」という基準は、たとえば日本政府から最先端の国際的研究やプロジェクトなどを一任されて行っているような技術者等が該当するため、今回のケースではその点をクリアすることは難しいと思われます。

__sozai__/0012115.png 我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン (法務省)

以上から、今回の在留資格変更に関しては、今後すぐに起業される予定であれば、まずは「経営・管理」に在留資格変更を行い、就労資格での5年という要件を満たした時点で「永住者」への変更申請をお勧めします。

ただし、その場合、気をつけなければいけない点があります。
「経営・管理」への在留資格変更が許可されたとしても、その際に許可される在留期間(期限)は起業した事業の継続性や安定などの点から審査され、

・5年 ・3年 ・1年 ・4月 ・3月

のいずれかとなります。

その上で、上述の条件(就労資格を取得後5年経過)を満たした後に「永住者」へ変更申請を行うためには、「経営・管理」として許可された在留期間が最長の「5年」または少なくとも「3年」である必要があるのです。

したがって、上述の在留資格変更申請で「経営・管理」が許可されたとしても、在留期間が「1年」しか許可されなかった場合は、それまでの日本での滞在期間が10年(その内、就労資格では最低5年)を超えていたとしても、その時点では「永住者」への変更申請を行うことはできません。

このようなケースの場合は、1年経過後の在留期間満了時に、同じ「経営・管理」で在留期間更新申請を行い、「5年あるいは3年」の在留期間の許可を得られれば初めて「永住者」への在留資格変更許可申請が可能になります。

なお、「永住者」への在留資格変更をするときには現在お持ちの在留資格に基づく、在留期間の残存期間が迫っている場合も注意が必要です。

「永住者」の在留資格変更にかかる審査については申請後、通常6ヵ月以上の時間がかかります。
申請して結果が出る前に、現在の在留資格における在留期間が過ぎてしまうと不法残留となってしまいます。

永住申請をしたものの、結果が出ない間に現在許可されている在留期間が過ぎてしまいそうな場合は、期限が切れる3か月前から在留期間の最終日までに、別途、現在の在留資格に基づく、在留期間更新申請をすることを忘れないで下さい。

ちなみに、このように、同時に永住許可申請と「在留期間更新許可申請」を行っている場合、「永住者」の変更許可が先におりれば、その時点で並行して申請している上述の在留期間更新申請は取り下げることになります。

いずれにしろ、「経営・管理」という在留資格も細かく厳しい条件をクリアしないと、許可されることが難しい申請です。
もしも、「経営・管理」への変更申請をお考えの場合はくれぐれも取得要件を精査して万全の準備をし、「不許可」(就労ビザが却下され帰国しなければならない)という結果にならないように気をつけてください。

以上、永住申請にかかるリスクを回避したいのであれば、最低あと1年間、現在の職場において就労を継続、「技術・人文知識・国際業務)を保持し「就労資格で5年以上」の要件をクリアしたところで永住申請をするのはどうでしょうか。

それによって無事、永住許可を取得できれば起業であろうと他の会社への転職であろうと、就労上は何ら制限がない自由な活動を行うことができます。



sample.gif 2020年10月更新

【Q11】

国内の貿易会社です。中国の取引先を担当する貿易事務スタッフとして日本の専門学校で国際ビジネス学科(貿易実務専攻)を卒業した中国人(中国での最終学歴は高等学校卒業で大学は卒業していません)を雇用したいと思っていますが、彼は専門学校を卒業後、就職活動がうまくいかなかったため一度中国に帰国しており、現在は中国にいます。就労ビザを取得して日本に呼び寄せることは可能でしょうか。また、専門学校卒業生の就労ビザ取得は四年制大学の卒業生と比べて難しいと聞いています。専門学校生が就労ビザを取得できる条件についても教えてください。

 

【A】

まず、前段の質問についてですが、2011年7月以降の法務省令の改正によって、日本の専門学校卒業し専門士を取得した外国人については、卒業後にいったん帰国した場合であっても、在留資格「技術・人文知識・国際業務」などの就労系の在留資格で、在留資格認定証明書(招へいビザ)交付申請が行えるようになりました。

※  2011年7月以前、国内の専門学校卒業者の場合、卒業後に帰国せず、そのまま国内企業に就職する場合は就労ビザの申請・取得が可能でしたが、卒業後に帰国し時間が経過した場合は上述の在留資格認定証明証明書を申請することができず、就労ビザを取得することができませんでした。

したがって、今回のご質問の場合、呼び寄せる方の
母国である中国との取引を担当してもらう「貿易事務担当」ということですので、在留資格は「技術・人文知識・国際業務」icon.mini.gif 在留資格についてはこちらに当てはまり、在留資格認定証明書交付申請は可能です。

なお、後段の質問、日本の専門学校の卒業生(専門士)が就労ビザを取得する条件については、以下に解説します。

専門士であれば、どんな職務内容でも、また、専攻科目が何であっても許可を受けられるわけではありません。

なぜなら、専門士が卒業後に留学ビザから就労ビザへ変更を希望する場合、現在の入管法の下では、就職後に従事する職務内容が在留資格「技術・人文知識・国際業務」、「医療」または「介護」に該当するものであることに加えて、この職務内容と本人が専門学校で専攻した履修科目が「相当程度に」一致することが必要だからです。

ちなみに、専門士が就労ビザを取得できる主な分野・職種および専攻科目と取得できる在留資格は以下のとおりです。

 @ 医療分野
専門学校における専攻科目と職種: 看護科(看護師)・歯科衛生科(歯科衛生士)・放射線科(放射線技師)・作業療法、理学療法科(理学療法士等)
取得できる在留資格: 「医療」 ※ 国家試験合格が条件

A 商業実務分野
専門学校における専攻科目と職種: 各種商業実務専攻科(マーケティング・企画・財務・経理・貿易業務・海外取引業務担当など)・観光、ホテル専攻科(コンシェルジェなど)
取得できる在留資格: 「技術・人文知識・国際業務」

B クールジャパン分野
専門学校における専攻科目と職種: ファッションデザイン(服飾デザイナー)・アニメーション、漫画制作科(アニメーター・漫画家)
※ デザインや絵コンテ・漫画の創作など専門的な業務に限る。
取得できる在留資格: 「技術・人文知識・国際業務」

C 文化・教養分野
専門学校における専攻科目と職種: 外国語通訳、翻訳、観光ガイド科(通訳、翻訳、海外取引担当、観光ガイドなど)
取得できる在留資格: 「技術・人文知識・国際業務」

D 工業分野
専門学校における専攻科目と職種: 情報処理科・機械工学科・電気電子工学科・建築科・自動車整備科(エンジニア・設計士・自動車整備工など)
取得できる在留資格: 「技術・人文知識・国際業務」

E 社会福祉分野
専門学校における専攻科目と職種: 介護福祉養成施設(専門学校)の介護福祉士専門コース(介護福祉士)
取得できる在留資格: 「介護」 ※ 国家試験合格が条件

以上のような職種の制限に加えて、専門士の留学ビザから就労ビザへの変更申請に関しては、前述したように従事する職務内容(職種)と専門学校で専攻した科目が相当程度に関連していることが在留資格変更の必要条件とされています。

たとえば、ITエンジニアとして、専門学校卒業者を採用する場合は、日本国内の専門学校で情報工学(システムエンジニア科)を専攻した専門士、ホテルなどが外国人対応のコンシェルジェや外国人宿泊客対応の日本語通訳を採用する場合は、観光学科や日本語通訳学を専攻した専門士、インテリアデザイナーや服飾デザイナーであればインテリア・服飾専門学校卒業の専門士でなければ、在留資格認定証明書が交付(海外から就労ビザの取得)または留学ビザから就労ビザへの在留資格変更が許可されることはありません(従事する職務内容と専門学校で専攻した科目が相当程度に関連していること)。

この職務内容と専攻科目の関連性については、日本の四年制大学(短期大学・高等専門学校を含む)を卒業した学士号取得者に対しては、職務内容と専攻科目が関連していなくとも柔軟に審査・許可されるという入管法上の緩和措置がとられるのと異なり、専門学校卒業者の場合は、職務内容と専攻科目がほぼ完全に関連していなければ、就労ビザが許可されることはありません。

したがって、会社が専門学校の卒業者を雇用する場合、まず、@ 採用後に従事させる職務内容について、就労ビザが取得できる分野・職種であるのか。その上で、A その分野に直結した科目を専攻している専門士なのかという2点について、大学卒業者以上に注意深く確認した上で採用を決定する必要があります。

なお、このように専門士の場合は従事できる職務内容に厳しい制限がかけられているため、採用時だけではなく、雇用後の配置転換についても、大学卒業者以上に就労できる職務内容を常に留意しながら、資格外活動とならないような雇用管理を行う必要があります。

なぜなら、採用後に専門士の配置転換を行う場合も、上述の転換後の職務内容が、専門士が従事できる職務であること、対象者には職務に直結した学歴や職歴があることの両方を満たさなければ、その配置転換は資格外活動として違法行為になってしまうからです。

ただし、専門学校卒業者であっても、専門学校入学前に国内・海外含め、四年制大学を卒業している外国人については、専門学校あるいは大学の専攻分野のいずれによっても採用することが可能です。

当然、配置転換時も同様で、当初は専門学校の専攻分野を活かして入社した社員であっても、配置転換後に従事する職務内容が、就労ビザ(在留資格)の活動範囲内のものであって、本人がその職務内容に応じた、専攻科目を履修して四年制大学などを卒業していれば配置転換は可能になります。

たとえば、母国で経済学を専攻して四年制大学を卒業し、その後来日して日本の専門学校でアニメーションを学んだ留学生が、卒業後に海外取引業務担当として一般企業に就職する、またはアニメ制作会社にアニメーターとして就職したが、就職後、配置転換によって国際営業に人事異動するケースなどが該当します(いずれの場合も在留資格は「技術・人文知識・国際業務」)。 

このように、設問の、いったん帰国して再来日する専門学校卒業生はもちろん、日本国内で専門学校を卒業した留学生のいずれの場合も、母国で四年制大学を卒業している外国人は多くいるので、専門学校卒業生の採用を行う上で、この点も留意しておくと役立ちます。

icon.mini.gif 日本の専門学校を卒業し「専門士」の学位を持つ外国人を海外から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請の手続きや、留学生を新卒採用するときの在留資格変更許可申請の具体的な手続きについてはこちらのページをご覧ください。

  

 


sample.gif 2021年4月更新

【Q12】

語学スクールを経営しています。日本にワーキング・ホリデーで滞在し、当スクールでアルバイト中のカナダ人を正式に英会話講師として雇用したいと思いますが、ビザの変更など、どのような手続きが必要なのか教えてください。

 

【A】

「ワーキング・ホリデー制度」は、現在、オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・韓国・フランス・ドイツ・英国・アイルランド・デンマーク・台湾・香港・ノルウェー・ポルトガル・ポーランド・スロバキア・オーストリア・ハンガリー・スペイン・アルゼンチン・チリ・アイスランド・チェコ・リトアニア・スウェーデン・エストニア・オランダの26か国間で実施しています(2021年4月現在)

この制度は、お互いの国の若者同士の国際交流を目的とし、相手国で約1〜2年程度の期間、アルバイトなどのパートタイマーとして働きながら(ワーキング)、休暇(ホリデー)を楽しめるという、とても素晴らしい制度です。

お互いの国で働きながら、異文化やその国のライフスタイルを体感するというプログラムで、資力が十分ではない若者が比較的簡単に海外で国際交流の場に身を置けるため、日本からこのビザを使って上記数十か国へ、また、この制度を使って来日する相手国の若者たちも年々増えているようです。

もちろん、このワーキング・ホリデーという制度は誰でもが利用できるわけではありません。

一番のネックは年齢ですが、ワーキングホリデー制度を利用してお互いの国に滞在できる者の年齢上限はほぼ30才以下(韓国などの数か国は25才以下・ほか例外あり)ですので、20代の若者に限られた特権というわけです。

ワーキングホリデー制度の詳細は、下記の外務省や外務省外郭団体のホームページをどうぞ。

__sozai__/0012115.png  ワーキングホリデーの概要 (外務省)

__sozai__/0012115.png  ワーキングホリデー・協定国 (日本ワーキングホリデー協会) 

__sozai__/0012115.png  Japan Association for Working Holiday Makers/English

さて、日本でこのワーキングホリデーを利用している外国人を日本で引き続き、正規の語学教師として雇用したいというご質問ですが、不可能ではありません。

ワーキングホリデー制度を利用して日本に滞在している外国人が持っている在留資格(ビザ)は、「特定活動」在留資格の種類についてはこちらのページ)というものですが、この在留資格を御社で雇用する職種の語学学校教師に該当する、「技術・人文知識・国際業務」に在留資格変更申請(またはワーキングホリデーで滞在中の外国人の出身国によっては在留資格認定証明書交付申請)手続きを行います。

!.gif ご注意ください。

イギリス・フランス等、一部の国の出身者でワーキングホリデー中の外国人については、上述の「在留資格変更許可申請」を行うことはできません。
これらの国籍の方たちが、日本に滞在しながら「特定活動」から正規の就労ビザへ変更する場合には、まず「在留資格認定証明書交付申請」を行い、在留資格認定証明書の交付がされた後に改めて、「在留資格変更許可申請」を行うことになります。

ただし、この場合も、基本的に、いったん日本国外に出国する必要はありません。
※ 2009年現在・東京出入国在留管理局取扱

これらの国籍による外国人ごとの取り扱いは、申請を審査する出入国在留管理局ごとに多少の相違が発生することがあり、また時間の経過によって運用(取り扱い)が変更される場合があります。
ワーキングホリデー中の外国人に関する申請に関しては、申請時、管轄の出入国在留管理局に必ず事前に問い合わせて最新の手続き方法を確認してください。

なお、このワーキング・ホリデーのビザ「特定活動」から、就労可能な「技術・人文知識・国際業務」などの一般的な就労ビザに変更するためには、当然その在留資格が個々に定めている必要条件を満たさなければなりません。

たとえば、今回のケースで、申請する在留資格「技術・人文知識・国際業務」の範囲内で行う「通訳・翻訳・語学の指導」の業務については、雇用される外国人本人が満たすことを求められる申請要件(必須)として、下記のいずれかの条件があります。

  • 4年制大学等(短期大学も含む)を卒業していること
  • 4年制大学を卒業していない場合は、語学指導や通訳・翻訳の実務経験が3年以上あること

 
ただ、ワーキングホリデーを利用して来日している外国人は20代前半から半ばの若者が多いため、申請時点で大学を休学中であったりなど、就労ビザを取得できる要件を満たしていないケースが多いのも現実です。

ーキングホリデーで雇用した後、雇用主側および本人が希望したからといって、必ずしもすぐに上述の「技術・人文知識・国際業務」のような就労系の在留資格(就労ビザ)に変更できるとは限りません。

したがって、御社で雇用される職種(在留資格)と本人の学歴・実務経験などの諸条件が入管法で規定する、就労ビザの取得条件に当てはまっているかを必ず事前に確認してから雇用の手続きをスタートして下さい。

また、本来このワーキングホリデー制度は制度の性質上、本来であれば、相互の若者の国際交流を目的とした短期間の滞在を前提に、対象者は在留期間満了と共に帰国する事が想定されています。

ですので、就労ビザへの変更は制度の趣旨から外れることになり、ワーキングホリデーからの就労ビザへの変更には、出入国在留管理局による審査が通常の就労ビザの取得時に比べて、少々厳しくなることも考えられます。

したがって、ワーキングホリデーで来日している外国人をどうしても雇用したいのであれば、ワーキングホリデーで与えられた在留期限が満了後、いったん自国に帰国させ、改めて「在留資格認定証明書」で正式に就労ビザの発給を待ち日本に呼び寄せる...という手段がスムーズかもしれません。

それでもどうしても、ワーキングホリデーの外国人を、帰国させることなくすぐに「在留資格変更申請」によって、御社の正規スタッフとして採用したい...というご希望がございましたら、当事務所で候補者の就労ビザが許可される可能性があるかどうかについて、事前判断をさせていただくことも可能です。
まずは一度、こちらからご連絡下さい。

icon.mini.gif 若松絵里社労士・行政書士事務所 就労ビザ取得に関するお問い合わせ

icon.mini.gif 初回無料相談も含めた報酬基準


  

sample.gif 2021年4月更新

【Q13】

外国人をエンジニアとして初めて雇用する予定です。給与額をどの程度に設定すれば就労ビザがおりるのか教えてください。また、当社には同内容の職務を行う日本人エンジニアも在籍しているのですが日本人と外国人で給与額の格差があっても大丈夫でしょうか。

【A】

外国人であるという理由だけで、同じ業務内容に従事する日本人に支払う給与額と差をつけることはできません。

その根拠として、労働基準法が第3条で「使用者は労働者の国籍・信条または社会的身分を理由として賃金・労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と規定しているからです。

単に外国人労働者だからといって、同じ仕事をする日本人より低い賃金を設定することは労働基準法違反となり、罰則を受けることになってしまいます。

また、就労ビザ取得の面から言うと、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」といった一般的な就労系の在留資格(就労ビザ)には、上陸許可基準という許可を受けるために、外国人や雇用主が満たすことが求められる要件があります。その中の一つに、 

  • 日本人が従事する場合に受け取る報酬と同等額以上の報酬をうけること

という規定があります。

つまり、 御社が社内で定めている、同じ職務内容の仕事を担当する日本人の労働者と同様の条件で賃金を決定すれば間違いがないということです。

ちなみに、入管法や法務省では、「給与額●●円以上」と明確な数字の基準を示して、「この額以上なら就労ビザ(在留資格)の許可をしますよ。」などと公開しているわけではありません。

ただし、2008年3月(最終改定:2021年3月)に、法務省は在留資格「技術・人文知識・国際業務」に関し、給与額や仕事内容の具体例を挙げて、許可がおりる基準と指針を示していますので、こちらのページも参考にして下さい。

__sozai__/0012115.png 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(法務省)

また、当事務所が給与額に関する質問を受けた場合、お客様の会社で同内容の業務を担当している日本人社員と同額の賃金であると同時に、その額が、外国人にとって職場に通勤可能な住まいを借りて、通常の経済状態で生活ができる常識的な金額であるかどうかということも併せてご判断くださいとアドバイスさせていただいています。

以上のような事情を鑑み、具体的な金額については、もちろん外国人の方の年齢や職種・経験・学歴にもよりますが、標準給与額のラインは、やはり最低限20万円前後程度は必要ではないかと思います。

ただし、前記のように、最低給与の正確なラインは法務省において公開されていませんし、最終的な許可・不許可の判断はそれぞれの審査を行う入国審査官が下しますので、「この金額なら確実に大丈夫です。」といった断定的なアドバイスは致しかねますのでご了承ください。

また、外国人の給与の支給に関しては、もう1点、重要なことがあります。

給与計算業務にあまり慣れていない、家族的な経営をされている企業や飲食店業など小規模な事業所に多くみられるのですが、雇用している外国人スタッフ(オーナーご自身が外国人で、起業に伴って自国から友人や家族などを呼び寄せて雇用しているケースなど)を、自社の借り上げ社宅や会社が所有している住宅に住まわせ、家賃はもちろん光熱費なども全額会社で負担し、それら費用を差し引いた額を純粋に給与として支給している会社が時々あるようです。

たとえば総支給額は25万円と規定し、その中から家賃5万円、光熱費などの経費3万円の計8万円は、会社側が完全に負担して支払い、残り17万円を単純に給与として外国人スタッフに支払ってしまうと、手取り給与額が実態を示さず、 相当に低い額となってしまいます。

こうした取扱いは、税法上や労働・社会保険法上にも大きな問題があるだけではなく、外国人スタッフの次回の就労ビザの更新という面からも重要なデメリットとなります。

就労ビザは、問題がなければ何回でも更新することは可能ですが、更新の際には、前年度分の課税証明書や納税証明書(外国人が住んでいる管轄の区役所などで発行してもらいます。)の提出が必要になるのですが、それらの証明書には、会社から支給された給与額や納税額が正確に記載されます。

したがって、課税証明書などに記載される額が上記で説明したように、社宅費や生活費を除いて支給した単純な手取り額だけであると、雇用主はその外国人に対して、就労ビザの許可基準を下回る不当に低い給与額が支払われているとして入管局は判断し、結果的に在留期間更新(就労ビザ延長)が許可されない...という結果にならないとも限りません。

以上、会社が外国人スタッフの社宅費用や光熱費などの負担をするのであれば、給与計算上、必ずそれらの費用は現物支給分として、その分の総額も支払給与額に必ず含めるといった税法上も問題のない処理を行ってください。

 

・ このページのトップにもどる