外国人スタッフのための厚生年金

sample.gif 2017年6月・更新

このページでは、外国人を雇用する場合の厚生年金(一部国民年金含む)に関する手続きや注意点について記載しています。

このページでいう、厚生年金とは、会社などに雇用されている会社員が加入する「厚生年金保険」を指しています。会社員以外の自営業者などが加入する国民年金と厚生年金の制度は一元化されているため、それぞれの加入者(被保険者)の種類の呼称(例:第1号〜3号加入者)などが重複しています。したがって、制度自体の仕組みを説明するためには膨大な解説が必要になります。

また、このサイトでは外国人労働者を雇用する場合の脱退一時金や社会保険料の二重払いを防ぐために作られた社会保障協定とその実際の手続きについて解説することを目的としているため年金制度の詳細な解説は割愛しています。
年金制度の仕組みから詳しく知りたい方は下記日本年金機構のウェブサイトで確認してください。

__sozai__/0012115.png 年金について (日本年金機構)

__sozai__/0012115.png 年金のことを調べる (日本年金機構)

 

ご覧になりたい項目をクリックしてください。

__sozai__/0012122.gif  厚生年金保険に加入しなければならない事業者とは?

__sozai__/0012122.gif  厚生年金保険・国民年金の被保険者の種類(分類)

 

3

 

__sozai__/0012122.gif  厚生年金に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは?

    健康・厚生年金の「社会保障協定」締結相手国出身者のケース

__sozai__/0012122.gif  厚生年金に加入しない(できない)外国人労働者はどうすればいい?

 

5

__sozai__/0012122.gif  厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?__sozai__/0011838.png 

    脱退一時金制度と手続きについて

 icon.mini.gif 当事務所のブログでも紹介しています。→ 脱退一時金の請求方法は?

 

__sozai__/0012122.gif  厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?__sozai__/0011839.png
    自国と日本の年金期間や給付が合算される社会保障協定について

icon.mini.gif 当事務所のブログでも紹介しています。→ 社会保障協定について

__sozai__/0012122.gif  厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 
    2009年4月以降、就労ビザ申請時に健康保険証の提示が必要になりました。

 

 


b.gif  1.厚生年金保険に加入しなければならない使用者(事業主)とは?


基本的に健康保険(全国健康保険協会/協会けんぽが運営)と厚生年金には会社などの法人であれば、法人を初めて設立した日から5日以内に、2保険セットで加入する義務があります。

健康保険だけ厚生年金保険だけというように、どちらか一方だけを選択して加入することはできません。

厚生年金保険に加入することが法律で決まっている事業所(強制適用事業所)については、ほぼ前項目で説明している、icon.mini.gif 健康保険に加入しなければならない使用者(事業主)と同じです。こちらのページでご確認ください。

 

 


b.gif 2. 厚生年金保険・国民年金の被保険者の種類(分類)


厚生年金保険と国民年金は制度上、一元化されているので両保険の被保険者の分類についても同様です。

つまり、国民年金の被保険者の分類である第2号は同時に厚生年金の被保険者(厚生年金に加入している企業や事業所の社員)であるということです。

 

ちなみに、国民年金の第1号被保険者というのは、自営業者を含む、厚生年金の被保険者以外の人たちで60才未満の人たち(※任意加入者などは除く)が該当します。

国民年金の第3号被保険者は、第2号被保険者である厚生年金の被保険者(企業の社員)に扶養される配偶者のことで、妻または夫がこれに該当します。

第3号被保険者として認定されるためには、第3号本人に関する収入要件等があり、(第3号本人の)年収が130万円以下でなければなりません。
この要件に該当すれば第3号被保険者は、毎月の国民年金保険料(16,490円/2017年度)を納めることなく、将来国民年金の基礎年金部分を受け取ることができることになっています。

 

国民(厚生)年金保険の被保険者の分類

種別

国籍 

日本国内の在住要件 

年齢

該当者例 

 

1号

 

制限なし 

 

日本に在住している必要有

20才以上

60才未満 

2号、3号以外の者

※ 外国人も含む 

 

 

2号

 

 

制限なし 

 

 

日本に在住していなくても可

制限なし

※但し既

に年金受

給者であ

る65才

以上除く 

厚生年金・共済年金

などの加入者

※ 外国人も含む 

 

 

3号

 

 

制限なし 

 

 

日本に在住している必要有

 

20才以上

60才未満 

2号(厚生年金・共済年金

などの加入者)の夫や妻

などの被扶養配偶者

※ 外国人も含む 

 

 


b.gif  3. 厚生年金に「加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者」とは? 健康・厚生年金の「社会保障協定」締結相手国出身者のケース


会社や事業所が厚生年金に加入している場合は、その事業所に雇用されている従業員はすべて厚生年金に加入させなければならないのが原則ですが、健康保険と同様に厚生年金にも個々の従業員の勤務時間や状況によって、「加入させなくてもよい労働者」という人たちがいます。

その条件についても、健康保険とほぼ同じ内容になりますので、まずはicon.mini.gif 健康保険に加入させなければならない労働者、健康保険に加入させなくてもよい労働者のページをご確認下さい。

ただし、健康保険には加入するものの、厚生年金は政府が管掌する厚生年金ではなく共済組合に入る方、または、健康保険では除外されている「船員保険」の被保険者は厚生年金の被保険者になるなど、多少異なる点はあります。

これらについて、詳しく知りたい方は下記、日本年金機構のウェブサイトをご覧ください。

__sozai__/0012115.png 公的年金の種類 (日本年金機構)
__sozai__/0012115.png 船員保険について (日本年金機構)

 

では、外国人従業員に対する厚生年金加入の問題についてははどうなるのでしょうか。
こちらについては、外国人従業員の出身国が、日本と厚生年金の社会保障協定を結んでいるかどうかで取扱いが変わります。

社会保障協定という言葉を初めて耳にした方もおられると思いますが、この制度は、たとえば、日本から海外、海外から日本へ行ったり来たりして働く場合、相手国の、健康保険や厚生年金保険などの社会保険に加入しなければならないのか、相手国の保険に加入する場合、自分の国で入っている社会保険の保険料を二重に払わなければいけないのか、また、将来、老齢年金を受給するときに、複数国の年金制度における、必要な加入期間(受給資格期間)をどう満たすのか、といった難しい問題が発生します。

このような問題に対応するために、日本と外国政府の間で個別に交渉・取り決められた協定のことを「社会保障協定」といいます。


社会保障協定を締結している国の出身者を雇用する場合は(日本現地採用の場合は問題になりませんが、海外の親・子会社などから転勤で赴任してくる外国人が該当することが多いでしょう)厚生年金保険または健康保険などの社会保険を自社(日本)の被保険者として保険に加入させるのか、またはさせないのかという問題が発生します。

icon.mini.gif 詳しくは、「厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?__sozai__/0011839.png/自国と日本の年金期間や給付が合算される、社会保障協定について」の項目をご覧ください。

2019年4月現在、この「社会保障協定」を締結し発効している国は、・ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド・ルクセンブルク・フィリピン・イタリア・スロバキア・中国の20か国です。

※  発効前で既に署名を完了している国もあります。

上記の国の出身者の場合、健康保険は日本で加入させるが、厚生年金は出身国の保険に入り続けるため日本では加入しない(厚生年金のみ社会保障協定を結んでいて健康保険については社会保障協定を結んでいないので、日本の健康保険に加入する必要がある)場合や、健康保険も厚生年金も日本では加入しない(相手国によっては、健康保険と厚生年金保険両方で社会保障協定を結んでいるので、その国の出身者が対象)ケースが発生します。

__sozai__/0011753.jpg   

赴任先の国の社会保険に入るか、または自国の保険に加入し続けるかは、赴任時に見込まれる相手国での滞在期間によって決定します。

 

 


b.gif   4. 厚生年金に加入しない(できない)外国人労働者はどうすればいい?


勤務する事業所が厚生年金に加入していない、またはパートタイマーなど短時間労働者として働いていて、厚生年金の加入要件に当てはまらないため、会社の厚生年金保険に加入できない外国人社員(icon.mini.gif 健康保険の加入要件/「健康保険に加入させなければならない労働者とは?」をご参照ください。)は、国民年金に加入することになります。

厚生年金保険と健康保険は2保険セットで加入しなければならないことは前述のとおりですが、厚生年金に加入しないということは健康保険にも加入できないということなので、その場合、外国人社員はご本人が住んでいる地域の国民健康保険と国民年金に加入することになります。

__sozai__/0012115.png 国民年金について (日本年金機構)

 

 


b.gif   5. 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには?

  __sozai__/0011838.png脱退一時金制度 


「外国人スタッフのための健康保険」のページでも記載したように、外国人社員の中に時々「健康保険には入りたいけど、厚生年金保険は掛け捨てになるので入りたくない。」と言って社会保険への加入を渋る人がいます。

たしかに、年金期間と給付を自国の年金制度と合算することができる「社会保障協定」の適用者であれば問題はありませんが、それ以外の外国人の場合、不満を持つのはしかたがないことでしょう。

ですが、こういう場合、本人の帰国後、払った保険料の一定額が払い戻される、脱退一時金制度について説明すると納得してくれることが多いようです。

脱退一時金というのは、短期間日本に在住・日本の年金制度(国民年金・厚生年金・共済組合)に、6か月間以上加入して帰国する外国人に対して払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度のことです。英語では、Lump-sum Withdrawal Payment といい、保険料の掛け捨て防止を目的に作られた制度です。
以下に、脱退一時金を受け取る条件・脱退一時金の計算式や手続きの流れについて記載します。詳細は下記、日本年金機構のホームページも併せてご覧ください。

__sozai__/0012115.png 短期在留外国人の脱退一時金 (日本年金機構)

!.gif 各国語によるパンフレットと請求書をダウンロードできます。

 

■ 脱退一時金を受け取ることができる外国人の条件

  • 日本国籍を持っていないこと
  • 国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数と保険料 4 分の 1 免除期間の月数の 4 分の 3 に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の 2 分の 1 に相当する月数、及び保険料 4 分の 3 免除期間の月数の 4 分の 1 に相当する月数とを合算した月数、又は厚生年金保険の被保険者期間の月数が 6 か月以上あること
  • 日本に住所がないこと (※ 再入国許可・みなし再入国許可を受けて出国する場合は、転出届の提出をしたとき)
  • 障害年金などの年金を受ける権利を持っていないこと

 

■ 脱退一時金の額

脱退一時金の受給金額は、国民年金と厚生年金で計算式が異なります。

下記、日本年金機構のウェブサイトから、外国人の加入期間をあてはめて計算してください。

__sozai__/0012115.png 脱退一時金の受給金額(国民年金) *2019年4月 

__sozai__/0012115.png  脱退一時金の受給金額(厚生年金) *2019年4月

 

 

■ 脱退一時金の請求に必要な書類

@  __sozai__/0012115.png 脱退一時金請求書 *日英版・PDFファイル 

(国民年金・厚生年金同じものを使用)

A パスポートの写し(氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格が確認できるページ)

B 日本国内に住所を有しなくなったことを確認できる書類(住民票の写しなど)※

C 国民年金手帳またはその他基礎年金番号が確認できる書類

D 「銀行名」、「支店名」、「支店の所在地」、「口座番号」および「請求者本人の口座名義」であることが確認できる書類(銀行が発行した証明書等または@の請求書中の「銀行の口座証明印」の欄に銀行の証明を受けて提出する。)

※ Bについては、請求する外国人が帰国前に住所地の市区町村に転出届を提出した場合、住民票の消除情報によって、請求者が請求時点で、日本国内に住所を有しないことを確認できるため、不要。

 


■ 脱退一時金請求手続きの流れ
脱退一時金請求時の手続の流れはおおむね、以下のとおりです。 

__sozai__/0022659.gif

脱退一時金は、国民年金の場合、支給時に所得税が控除されませんが、厚生年金の脱退一時金の場合、予め所得税(20.42%/2019年4月現在)が源泉徴収された額が支払われます。この所得税控除は後に、帰国した外国人が住んでいた住所地の税務署に申告することで還付を受けることができます。

したがって、源泉徴収控除額の還付を受けたい外国人は、帰国前に住所地を管轄する税務署に「納税管理人の届出書」を提出し、自身の帰国後に還付手続きを代理してもらう納税管理人(日本に住所を有する日本人・外国人/他に条件・資格はなし)を決めておきます。※ 「納税管理人の届出書」を提出せずに帰国した場合は、所得税の還付申告時に納税管理人の届出書を同時に提出することもできます。 

尚、この納税管理人を指名せずに帰国した場合は、この所得税の還付申告時に納税管理人の届出書を同時に提出することもできます。

 

__sozai__/0022661.gif

帰国した外国人が、3.脱退一時金の請求に必要な書類@の脱退一時金裁定請求書を記載し、振込希望の銀行の証明書、または@の「銀行証明欄」にスタンプをもらい、年金手帳などの証明書を添付して、日本年金機構・外国業務グループに郵送します。

 

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Aで書面を受け取った日本年金機構が、提出書類を確認し、振込希望の本人自国の銀行口座へ振込。 実際に本人の口座に振り込まれるまでは書類を郵送・提出後数か月かかります。
__sozai__/0011753.jpg   
ドルやユーロ以外の基軸通貨以外の通貨での振込については制限がある場合があります。

 

__sozai__/0022665.gif

日本年金機構から郵送で外国人本人に、「脱退一時金決定通知書」が送付されます。
厚生年金保険の場合は、支払われた脱退一時金から所得税が控除されているので、この決定通知書を【ステップ1】で本人が帰国前に日本の住所を管轄する税務署に届け出た、「納税管理人」に郵送し、納税管理人が本人に代わって税務署での還付申告を行うことになります。

■ 脱退一時金の請求期限

最後に国民年金・厚生年金・共済組合の被保険者の資格を失った(日本に住所がなくなった)日から2年以内に請求しなければ、脱退一時金を請求する権利がなくなります。

まず、請求に必要な前提条件は、日本を出国するときに、住所地の市区町村役場において、国外に住所を移す旨を申告し、転出届を提出することです。この転出届をしていない場合、(再入国期間内は)原則として、出国後、すぐに脱退一時金を請求することはできません。これを踏まえて、転出届をしている場合と、転出届をしていない場合の請求期間は以下のようになります。


■  転出届をして出国した場合の請求期間

出国前に、住所地の市区町村役場において、国外に住所を移す旨を申告して、「転出届」を提出し、「再入国許可」または「みなし再入国許可」を受けて日本を出国する場合、「日本に住所を有しなくなった日」は、転出日の翌日(国民年金の資格喪失日)となり、その日から2年間が脱退一時金の請求可能期間となります。

■  転出届をせずに出向した場合の請求期間

出国前に「転出届」を提出せず、「再入国許可」または「みなし再入国許可」を受けて日本を出国する場合、原則、上記再入国許可の有効期間が経過する日までは、国民年金の被保険者とされるため、脱退一時金の請求はできません。なお、最終的に「再入国許可」または「みなし再入国許可」の有効期限日までに再入国しなかった場合、有効期限日が経過した日が、国民年金の被保険者資格の喪失日とされるため、その日から2年間が脱退一時金の請求可能期間となります。

なお、脱退一時金に関する注意点は、請求可能期間が、上述のように(日本に住所がなくなった日)から2年ですので、日本にいる(住所がある)場合は、たとえ勤務していた会社を辞めて厚生年金や共済組合を脱退したとしても、脱退一時金の請求を行うことはできない点です。

厚生年金保険の加入を望まない外国人の方には、この脱退一時金制度の説明をすることによって、すんなりと社会保険への加入手続きが進むこともありますのでぜひお試しください。

以上、脱退一時金の詳細について、前述のパンフレットをご覧になっても不明な場合は下記、日本年金機構の担当部署に直接お問い合わせください。

 

日本年金機構 (外国業務グループ)

〒168-8505 東京都杉並区高井戸西3-5-24
電話: 03(81)-6700-1165 (ねんきんダイヤル)

※ 電話口で「脱退一時金の件」とお伝えの上、ご相談ください。

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当事務所のブログ、「日本で働く外国人についてのブログ」でも、脱退一時金についてとりあげています。重複している部分もありますが併せてご覧ください。
__sozai__/0022486.png

icon.mini.gif 日本で働く外国人についてのブログ → 帰国した外国人、脱退一時金の請求方法は?

 

 


b.gif 5. 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 
       __sozai__/0011839.png社会保障協定


厚生年金に加入させなければならない労働者」、「加入させなくてもよい労働者とは?」の項目でも記載したとおり、我が国日本は2017年1月現在、以下のような国々と保険料の二重加入を防ぐために社会保障協定を結んでいます。

社会保障協定については、下記関係行政機関のウェブサイトもご覧ください。
__sozai__/0012115.png 社会保障協定について (厚生労働省)
__sozai__/0012115.png 社会保障協定とは何ですか? (日本年金機構)

 

icon.mini.gif 当事務所のブログ、「日本で働く外国人についてのブログ」でも、社会保障協定についてとりあげています。重複している部分もありますが併せてご覧ください。
__sozai__/0022486.png 日本で働く外国人についてのブログ → 外国人と日本人が海外で働くときの社会保障協定

 

日本が社会保障協定を結んでいる相手国 *2017年1月現在

 

 

 

状況 

 

期間の通算

ができるか 

 

二重加入防止の対象

 となる社会保障

 

   

日 本

  相 手 国    

ドイツ 

 発効済

 年金

 年金

英国 

 発効済

 ×

 年金

 年金

韓国 

 発効済

 ×

 年金

 年金

米国

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

ベルギー 

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

 労災

 雇用

フランス 

 発効済  

 年金

 医療

 年金

 医療

 労災

カナダ 

 発効済  

 

 年金

 年金

 ※ケベック州除く

オーストラリア 

 発効済

 

 年金

 

 退職年金

オランダ 

 発効済  

 

 年金

 医療

 年金

 医療

 雇用

チェコ 

発効済

 

 年金

 医療

 年金

 医療

雇用

スペイン  発効済  ○ 年金 年金
アイルランド  発効済 年金 年金
ブラジル  発効済 年金 年金
スイス  発効済 年金
医療
年金
医療
雇用
ハンガリー  発効済 年金
医療
年金
医療
雇用
インド  発効済 年金 年金

   

日本から海外あるいは海外から日本へ行ったり来たりして働く場合、もともと自分の国(日本または海外)で加入していた厚生年金保険や健康保険などの社会保険から脱退して短期間でも相手の国の保険に加入しなければならないのか...相手国の保険に加入する場合、自分の国で入っている保険を辞めなければいけないのか、それとも両方に入って保険料を2倍払わなければいけないのか...といった問題が発生します。

社会保障協定とは、こういった問題を解決するために、日本と海外数か国との間で取り交わされた協定のことで、この社会保障協定を締結している国の出身者を雇用する場合(海外の親・子会社などから転勤で赴任してくる外国人が該当。外国人を日本で現地採用する場合は、最初から日本の社会保険制度に加入します。)、厚生年金保険を始めとする健康保険や雇用保険・労災保険を自社の被保険者として保険に加入させるのか、またはさせないのかが変わってきます。

なぜなら、この「社会保障協定」を締結している国は、2017年1月現在、ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド)の16か国ですが、これらの国々と締結している社会保障協定の内容は、

  • 年金については社会保障協定を結んでいるが、健康保険については結んでいない。
  • 年金についても健康保険についても社会保障協定を結んでいる。
  • 年金・健康保険・労災保険・雇用保険も社会保障協定を結んでいる。

というように、相手国によって個別の締結内容が様々に異なるからです。

ですので、外国人社員の出身国によって例えば、健康保険については日本で加入させるが厚生年金は出身国の保険に入り続けるため日本では加入しない(派遣時に見込まれる日本での滞在期間によって決定)場合や、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険も日本では加入しないというケースが発生します。

 

■ 日本で働く、社会保障協定締結相手国出身の外国人労働者の取扱い

日本と社会保障協定を結んでいる国出身で、その国の社会保障制度に加入している外国人の場合、日本の制度に加入するか、それとも自国の社会保障制度に加入し続けるかどうかは下記の判断基準によって決まります。

 

__sozai__/0011848.png 自国の社会保障に加入継続・日本の制度には加入しないケース

日本へ派遣される当初に見込まれる派遣(赴任)期間が、当初から「5年以内」と見込まれる場合がこれにあたります。

 

__sozai__/0011849.png 自国の社会保障ではなく、日本の制度に加入するケース

日本へ派遣される当初に見込まれる派遣(赴任)期間が、当初から「5年を超える」と見込まれる場合は、日本の健康保険や厚生年金保険に加入することになります。

■ 二重加入防止の考え方

この社会保障協定の二重払い防止の基本的な考え方は、海外の事業所から日本の事業所へ派遣される人の健康保険や厚生年金などの社会保障に関して、派遣先(日本)の国の制度にだけ加入することを基本として、一時的(5年が目安)に日本に派遣されるてくる外国人については、例外的に、自国の制度にのみ加入し、保険料の二重払いを防止しましょう...ということです。

■ 年金制度については加入期間の通算がされる

年金に関する社会保障協定の考え方については、一方の国の年金制度の加入期間だけでは、受給資格を満たさないような場合、海外赴任していた間、赴任先(社会保障締結相手国)で加入していた年金加入期間も通算しましょう、というのがその基本です。

 

日本の国民年金は最低25年加入しないと老齢年金を受け取ることができません。(2017年8月より、25年が「10年」に短縮されます。)

一方、ドイツの老齢年金を受け取るための最低加入期間は5年です。例えば、ある日本人が日本の年金制度に23年加入後、ドイツに赴任し2年間だけドイツの年金に加入したとします。

こういったケースでも、両国の社会保障協定締結以前は、どちらの保険も加入期間不足で全く年金を受け取ることができませんでした。

でも、この社会保障協定が両国間で結ばれたことによって、日本の23年とドイツの2年が合算され25年となり、この日本人は日本に帰国したのち、老齢年金の受給資格を満たすことができ年金を受け取ることができるというわけです。

!.gif

2017年8月以降、日本の老齢年金の加入期間は25年から「10年」に短縮されます。

ただし、ここで重要なのは、この年金加入期間の通算については上記表に記載した社会保障協定国全てに適用される訳ではなく、「期間通算」の欄に×が付いている国、英国と韓国には適用されません。
つまり英国と韓国からの赴任者・または日本からこの2か国へ赴任した日本人には、それぞれ相手国で適用された社会保障期間は通算されることはなく、それぞれの国ごとに決められた支給要件を満たさなければ、各国の年金を受け取ることができません。ご注意下さい。

 

■ 社会保障協定締結相手国の外国人を日本の社会保険の適用から外す場合の取扱い

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日本で働く、社会保障協定締結相手国出身の外国人労働者の取扱い」の項目で説明したように、赴任時の赴任期間見込みが5年以内の場合は、日本の健康保険や厚生年金保険、場合によっては、雇用保険の適用から外すことができます。

この手続きのためには、外国人本人が、日本に赴任されてくるに自国の年金担当窓口(実施機関)で適用証明書という、協定相手国の社会保障制度に加入していることを証明する証明書を入手します。外国人はこの証明書を持参して来日します。

 

__sozai__/0022661.gif

日本の赴任勤務先で、「適用証明書」を提出。

勤務先を通じて、日本の年金事務所に届け出ることによって、日本の社会保障への加入が免除されます。
以上のような流れで、社会保障協定(二重加入対象者)の、日本の社会保険への加入が免除されます。


初めて社会保障協定締結国出身の外国人を受け入れる場合は、事業所所轄の年金事務所で、予め手続きについて詳しい説明を受けておいた方がいいでしょう。

例えば、 こういった社会保険保障協定制度があることを知らずに、協定締結国からの派遣者を受け入れ、長期間、自国と日本で社会保険に重複して加入し保険料の二重払いをしていたような場合、少なくとも日本の社会保障制度での保険料の払い戻しを受ける権利の消滅時効は2年間であるため、2年間しか遡って払い戻し請求をすることができません。

せっかく、このような便利な制度があるのですから、会社と外国人社員のために上手に活用していただければと思います。

 

 


 b.gif 6. 厚生年金に入りたがらない外国人労働者を説得するには? 

  就労ビザ変更・更新時の審査基準の一つです。     


2009年3月に発表された、在留資格の変更・在留期間の更新許可のガイドライン(2010年3月再改正・法務省・入国管理局)によると、2010年4月以降、外国人労働者が就労ビザ申請を行う際、入国管理局の窓口において、健康保険証を提示することが義務付けられました。
これによって、事実上、外国人労働者の就労ビザの変更や更新の不可の審査基準の一つとして社会保険に加入していることが加えられることになりました。
__sozai__/0012115.png 2010年3月発表のガイドライン (入国管理局)  

ガイドラインでは、健康保険・厚生年金・国民健康保険・国民年金に加入していない企業・労働者が、就労ビザの変更・更新の際に健康保険証を提示できない場合、その事だけをもって申請を不許可にすることはしないと明示しています。

ただし、明らかに社会保険(企業の健康保険・厚生年金)の強制適用事業所や国民健康保険・国民年金の加入対象者でありながら、特別な事情がなく不当に社会保険に加入していない雇用主・外国人本人が変更や更新申請を行った場合、社会保険未加入を理由の一つとして申請が不許可になる可能性がないとはいえません。十分にご注意ください。

また、当ガイドラインの改正では、他に下記のような、審査基準項目も追加されています。外国人労働者を雇用する企業にとって重要な留意点になります。ご確認ください。

 

 

  __sozai__/0022642.png  就労ビザ更新に関して改正(追加)された主な審査基準 

  • 雇用・労働条件が適正であること
    【入国管理局】 我が国で就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が労働関係法規に適合していることが必要です。
    なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は通常申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して許否を決定します。

  • 納税義務を履行していること
    【入国管理局】 納税の義務がある場合には当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は納税義務を履行していないと判断されます。
    なお、刑を受けていなくても高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も悪質なものについては同様に取り扱います。

 __sozai__/0012115.png 在留資格の変更・更新許可のガイドライン(改正)

 

 

 

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